第3戦ラリーメキシコは、デイ2のSS20までを終了。この日は30.04kmと42.17kmのロングステージ、レオンのストリートステージ、およびスーパーSSを含む計7SSで争われる。
この日のオープニングとなるSS14 Ibarrilla 1(30.04km)ではセバスチャン・オジエがベストタイムを奪取。「いいリズムを見つけるのが難しいね。フィーリングが完璧ではない部分もあるし、リスクを避けていく」とオジエは堅実なコメント。そのオジエを追いかける総合2番手のマッズ・オストベルグはSS2番手タイムで食い下がるが、その差は8.4秒。デイ1から引きずるマシンの違和感も消えず、ふたりの総合タイム差は41.4秒に広がってしまった。
そして、オストベルグの感じていた違和感はSS15 Otates 1(42.17km)に到着する前に現実のものとなってしまう。リエゾン区間で電装系トラブルに見舞われ、なんとデイリタイアを喫することとなってしまったのだ。
これでライバルがひとり減ったオジエ。「プッシュはしていない」と言いながらSS15でもSS2番手のミッコ・ヒルボネンを15.6秒突き放すベストタイムをたたき出してみせた。オストベルグのリタイアによって総合2番手となったヒルボネンだが、SS2番手こそ獲るもののオジエとの差は広がる一方。
続くSS16、1.23kmと短いレオンのストリートステージで、ヒルボネンはようやくこのラリー初のベストタイムを出すも、ショートステージで詰められる差はわずかなものだった。
午前中のループを終えての上位オーダーは、首位にオジエ、2番手にヒルボネン、3番手にティエリー・ヌービル。4番手につけたダニ・ソルドとヌービルの差は1分38秒と開いており、ヌービルは初の表彰台も現実味を帯びてきた。
午後のオープニングステージとなるSS17 Ibarrilla 2ではまたしてもオジエがベスト。ここでヒルボネンは「オジエとの差は大きい。いまは慎重に総合2番手のポジションをキープする」とオジエを追わないことを明言。総合3番手のヌービルとは1分51秒3の差がついているため、これで順位はほぼ確定かと思われた。
ところがヒルボネンは、続くロングステージのSS18で左後輪をパンク。2分近くの遅れをとり、気がつけば、総合3番手のヌービルとの差は7.2秒。ここに来て2番手争いが急に熱を帯びてきた。
この日残されたステージはスーパーSS2本のみ。ヒルボネン、ヌービルとも危なげなくまとめたものの、その差は7.5秒と緊迫した状態が続く。
一方、ヒルボネンの脱落で独走状態となったオジエは、ヒルボネンがパンクを喫したSS17でステージのゲートが何者かに閉められるというトラブルに見舞われた。幸いクラッシュ等のアクシデントにはならなかったものの、コ・ドライバーのジュリアン・イングラシアがゲートを開けるためにマシンから降りねばならず、約30秒程度のタイムロスを余儀なくされたという。
ラリーメキシコ最終日は3SSのみ。しかしオープニングとなるSS21 Guanajuatitoは54.85kmという超ロングSS。最後まで何が起きるかは分からない。いずれにせよ目が離せない展開となりそうだ。スタートは日本時間の本日23:58。
【SS20後暫定総合順位】
1:S.オジエ(フォルクスワーゲン) 3:38:42.2
2:M.ヒルボネン(シトロエン) +2:52.4
3:T.ヌービル(フォード) +2:59.9
4:D.ソルド(シトロエン) +4:45.2
5:N.アティヤ(フォード) +5:33.9
6:K.ブロック(フォード) +8:57.1