1月25〜28日に開催されたWRCラリーモンテカルロ。WRC2部門はシュコダ・ファビアR5のヤン・コペッキーが、最終的に15分以上の大差をつけて部門を圧勝した。
シュコダ・モータースポーツのワークスドライバーとして参戦したコペッキーは、2番手に12分12秒とかなり余裕のあるマージンを築いて最終日を迎えたが、それでも残る4ステージで待っていたチャレンジングなコンディションに対応しなくてはならなかった。
最初の3本でベストタイムをマークしたのは、今季WRカーで8戦の参戦が決まっている新鋭テーム・スニネン(フォード・フィエスタR5)。しかし、最終SS17(13.58km)では、セカンドベストのスニネンを5.5秒先行する圧巻の走りを見せた。
「何度も挑戦して、ようやくここで勝てた!」と振り返るコペッキーは、この日が36回目の誕生日。母国チェコの建国100周年を記念して国旗の3色をあしらったファビアR5で迎えたモンテカルロだった。
「序盤のコンディションは本当にトリッキーだったので、少し抑え目に滑り出したが、ライバルにはプレッシャーも与えるように努めていた」
「金曜日を終えた時点でかなりリードをしていたが、それでも100%集中していなくてはならなかった。すべてを失う可能性もあったので、慎重を期さなくてはならなかった。とにかく、道の真ん中に留まるように。この週末、全体に起きたことを考えれば、世界で最も苛酷なラリーだったと言えると思うよ」
一方、この部門ではジュラーム・デ・メビウスが2位タイムでフィニッシュしたが、イベント後の車検で搭載していたバッテリーが最低重量を下回っていたことが判明。R5規定では、コスト高騰を防ぐためにバッテリーの寸法とともに最低重量も規定している。イベントの審査委員会は、メビウスに総合順位で6位降格の裁定を下し、相当数の19分のタイムペナルティを与えた。この結果、メビウスはWRC2部門では完走した中では最後尾の4位フィニッシュとなった。
また、初日のアクシデントから挽回を目指したスニネンは、部門ポディウム圏内に食い込む3位でのフィニッシュとなった。
一方、選手圏外での参戦ながら注目を集めた17歳のカッレ・ロバンペラ(ファビアR5)は、この日もコペッキーやスニネンと対等に渡り合う見事なパフォーマンスを披露し、ステージに集まった観客を大いに沸かせた。ロバンペラは、コペッキーに5分15秒差のRC2クラス2位、総合でも11位に食い込む大健闘を見せた。
「今回は経験を積むための参戦。とてもチャレンジングなイベントだったが、ファビアR5という最高のマシンでここでのドライビングが本当に楽しめた」と頼もしいコメントを残したロバンペラ。今季はこの後、WRC2に登録しての参戦も控えている。
「最後のステージは、この結果を家に持ち帰るために、慎重に慎重に走ったよ」
WRCモンテカルロ WRC2部門 結果
1. J.コペッキー/P.ドレスラー(シュコダ・ファビアR5) 4:35:38.5
2. E.シセール/F.ザネラ(シトロエンDS3 R5) +22:47.7
3. T.スニネン/M.マルックラ(フォード・フィエスタR5) +33:31.1
4. G.デ・メビウス/L.ルーカ(プジョー208 T16) +33:46.1