WRCスウェーデン事前情報:スタッドタイヤで駆け抜ける高速ウインターラリー – RALLYPLUS.NET ラリープラス
現地速報がすぐわかる! バックナンバーが読み放題。ラリプラLINE限定コンテンツ配信中

WRCスウェーデン事前情報:スタッドタイヤで駆け抜ける高速ウインターラリー

 

この週末、WRCは北欧スウェーデンの雪に覆われた森が舞台となる第2戦ラリースウェーデンを迎える。

WRCカレンダー唯一の本格ウインターラリーとなるラリースウェーデンは、実に独特なイベント。マシンはタングステン鋼のスタッドがついたナローなタイヤを履き、ショベルの車載は必須。ドライバーたちは、保温機能のついたレーシングブーツと、反射防止のサングラスを身に付ける。このラリーで待つ試練は、他のどのイベントにもないもので、白銀の世界をマシンが駆け抜ける様子は、息を飲むような光景だ。

凍った道のサイドには雪壁が並び、ドライバーたちはマシンを押し当ててコーナーをクリアしていく。しかし、気温が上がると、衝撃で雪壁が崩れ、マシンが雪の中にスタックする危険もある。このコンディションに的確に対応し、路面が変化する中でスタッドをうまく使い分けつつ、ブレーキングポイントを判断するスキルが求められる。こうした独特の要素と速度域の高さから、ラリースウェーデンは第65回の開催まで北欧勢が勝利を独占してきた。その伝統を2004年に破ったのが、フランスのセバスチャン・ローブ。しかし、以降も北欧外ドライバーでスウェーデン戦を制したことがあるのは、同じくフランス出身のセバスチャン・オジエだけだ。この6年は、オジエとフィンランド出身のヤリ‐マティ・ラトバラが勝利を分け合っている。

今回のスウェーデン戦では、マニュファクチャラーズ選手権に登録する4チームが各3台をエントリーしている。シトロエンからはマッズ・オストベルグがスポット参戦で登場する。フォード・フィエスタWRCでの8戦のプログラムの初戦を迎えるのは、テーム・スニネン。ヒュンダイからは、ヘイデン・パッドンが今季初戦を迎える。

WRC2部門には15台がエントリー。また今戦では、ジュニアWRCが開幕する。このワンメイクシリーズには、3大陸12カ国から14クルーが登録。これに2クルーを合わせた16クルーが、2WDシリーズのWRC3を戦う。また、2017年の世界ラリークロス選手権チャンピオンのヨハン・クリストファーソンが、母国で開催されるWRC戦にエントリー。選手権外でシュコダ・ファビアR5をドライブする。

カールスタッドで行われる恒例の開幕ステージと土曜日のSS14、そして最終SSのパワーステージがテレビ中継されるほか、全ステージがWRC+のWRCオールライブでインターネット配信される。

■ルート

FIA

今年のルートは、2017年と比較して24%が変更されており、多くのステージが修正されている。1本は以前に使用されたステージで、トーントープは2014年以来の設定。また、HQは昨年までのカールスタッドから、サービスパークの置かれるトルスビーから南に35kmほどのスンネに移された。イベントは、木曜日の夜にカールスタッドのスーパーSSで大観衆を前に開幕する。金曜日は、スウェーデンと国境を越えてノルウェーの林道を使用。トルスビーとローデンの一部以外はノルウェーを走行し、この日はイベント最長の距離を走る。土曜日はスウェーデンに戻り、バーガセンでは名物ジャンピングポイント、コリンズ・クレストにアタックする。故コリン・マクレーが最長ジャンプを披露したことで名付けられた、人気の観戦スポットだ。この日は、カールスタッドで2回目の走行を行った後、夜間にトルスビーの3.43kmのショートステージで締めくくり。日曜日は、スウェーデンに3SSが設定される。リケナスを2回走行した後、金曜日にも走行したトルスビーが、パワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2018年2月15-18日
サービスパーク設置場所:カールスタッド
総走行距離: 1400.79km
総ステージ走行距離:314.25km(SS比率:22.4%)
総SS数:19

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC



RALLY PLUS