2月18日(日)、2018年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリースウェーデンの競技最終日がスウェーデンのトルシュビーを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組が総合4位、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組が総合7位、オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組が総合9位でフィニッシュ。ヤリスWRCは、前戦に続き全3台が完走を果たした。
ラリースウェーデンの最終日となるデイ4は、トルシュビーの北側で2本のSSを行い、最後にパワーステージに設定されたトルシュビーのSS1本を走行する3本、計51.94kmのSSが行われた。1本目のSS17ではまずタナックがベストタイムを記録。そしてSS18と、ボーナスポイントがかかるパワーステージに指定されたSS19では、ラッピが連続でトップタイムを記録した。この結果、ラッピは前日よりも順位をふたつ上げ、最終的に総合4位でフィニッシュした。ヤリスWRCはこのラリーを通じて計8回のSSベストタイムを記録したが、そのうち6本がタナック、2本がラッピによるもの。ヤリスWRCの雪上でのスピードを証明してみせた。
トミ・マキネン(チーム代表)
「3本のSSをすべて制するなど、今日は良いパフォーマンスを示すことができました。ラリースウェーデンでは全体的にクルマもドライバーも良かったのですが、コースのコンディションは必ずしも公平とはいえませんでした。将来的に、すべてのドライバーが同じようなコンディションで走れるような施策がなされることを希望します。今日、エサペッカはとても速く、昨日よりもふたつ順位を上げ、パワーステージでもトップタイムを記録しました。金曜日にたった1度だけ小さなミスをしましたが、それさえなければ表彰台のもっとも高い位置を狙えたはずです。しかし、彼が初めて雪のラリーにWRカーで出場したことを忘れてはいけません。きっと来年にはもっと強くなっているでしょう」ヤリ-マティ・ラトバラ
「非常に厳しい週末でした。土曜日は、早い出走順により新雪や深い轍の影響を受け、大幅にタイムを失ってしまいました。また、最終日を前にトランスミッションを交換しましたが、チームが素晴らしい仕事をしてくれたお陰でクルマのフィーリングが良くなり、ハンドリングも好転しました。改めて、速さと信頼性の両方が重要であると感じました」オィット・タナック
「金曜日は路面コンディションが悪く、何もできないような辛い状況でした。土曜日は出走順が少し良くなりペースも上がったので、何回かSSベストタイムを記録しました。そして今日はコンディションが自分たちに合っていたので、さらに良いタイムを重ねることができました。いろいろ大変な週末ではありましたが、今回初めてグラベル仕様のヤリスWRCでラリーに出場し、多くの学びを得ることができました」エサペッカ・ラッピ
「パワーステージで勝ち、そして順位をふたつ上げることができました。チームがある程度の良い順位でラリーを終えることができて嬉しく思います。金曜日に起きてしまったことについては、もうそれほど残念に感じていません。全体としては力強い戦いができたと思います。自分にこれほどスピードがあるとは思っていなかったので、来年このラリーに戻ってくるのが本当に楽しみです」次戦のWRCは、3月8日から11日にかけて行われる第3戦ラリーメキシコ。シーズン最初のグラベルラリーであり、外気温は摂氏30度前後に達するので“熱”が大きな問題となる。また、標高が最高2737mに達する高地で開催されるため、エンジンが取りこめる酸素の量が少なくなり、エンジンは通常よりも20%程度パワーが落ちると言われる。そのため、クルマにとっても選手にとっても厳しい1戦となる。
WRCスウェーデン 暫定結果
1. ティエリー・ヌービル ヒュンダイi20クーペWRC +2:52:13.1
2. クレイグ・ブリーン シトロエンC3 WRC +19.8
3. アンドレアス・ミケルセン ヒュンダイi20クーペWRC +28.3
4. エサペッカ・ラッピ トヨタ・ヤリスWRC +45.8
5. ヘイデン・パッドン ヒュンダイi20クーペWRC +54.4
6. マッズ・オストベルグ シトロエンC3 WRC +1:15.3
7. ヤリ‐マティ・ラトバラ トヨタ・ヤリスWRC +2:04.9
8. テーム・スニネン フォード・フィエスタWRC +2:52.2
9. オィット・タナック トヨタ・ヤリスWRC +3:44.4
10. エルフィン・エバンス フォード・フィエスタWRC +5:27.4