2018年のWRC、ここまで3戦を終えて2勝をマークしているMスポーツ・フォード。今季最初のターマック戦であり、エースドライバーのセバスチャン・オジエは、母国戦でもある第4戦ツール・ド・コルスで今季3勝目を狙う。
前戦メキシコでの勝利により、オジエはドライバーズ選手権で首位に返り咲いた。2番手につけるマニュファクチャラーズ選手権でも、首位ヒュンダイとはわずか12ポイント差となっており、ここで一気に詰め寄りたいところだ。
選手権リーダーとして迎えるオジエは、舗装戦でもスタート順はトップ。最も路面がクリーンな状態で走ることのできるアドバンテージを大いに活用したい。このコルシカは、2008年に世界戦デビューを果たしたが、前年の2007年には国際格式イベントで開催されたツール・ド・コルスに参戦している。コルシカ戦の参戦はこれまで4回で、2016年に優勝を果たしている。
「今季はとてもポジティブな滑り出しになっており、3戦中で2勝。ここまでの進捗にはとても満足しているし、舗装戦でもこの勢いを続けていきたい」とオジエ。
「モンテカルロは雪やアイスとのミックスだったので、コルシカは今季最初の本格ターマックイベントだから、楽しみにしている。テストは順調に進み、いい手応えをつかんだし、いいセットアップも見つかった。フランス人として、ツール・ド・コルスに参戦することは、よりモチベーションも高まる。美しい島なので、訪れるのがいつも楽しみ。母国でいいリザルトを残せたら、さらに素晴らしいだろうね」
チームメイトのエルフィン・エバンスは、コ・ドライバーのダニエル・バリットが前戦でのアクシデントによる負傷から回復できず、今回はフィル・ミルズがコ・ドライバーを務める。ミルズはこの5年間、エバンスのグラベルクルーを務めており、エバンスのペースノート・システムも熟知している。何より、2003年のWRCチャンピオン コ・ドライバー。エバンスにとって、これほど心強い助っ人はいない。そのエバンスは、過去3回のコルシカ参戦のうち、2015年に2位に入っているほか、2016年はWRC2部門優勝を果たしている。
「いつも楽しめているイベント。今年は、速さはあるが展開としてはいまひとつの内容となっているので、コルシカでは流れを整えたい」とエバンスは語る。
「ダンがいないことで簡単にはいかないが、でもまずはしっかり回復して体力を万全にすることが重要。フィルが代替を努めてくれるので、いいリザルトを狙っていけるようにしたい。ダン以外では、誰よりも自分のペースノートを分かっている人だしし、優勝請負人でもある。今年のコルシカは、新しい区間がたくさんあるが、テクニカルであることは変わらない。過去にいい結果も残しているイベントなので、今回どこまでいけるか、楽しみにしている」
今回、サードカーのドライバーを務めるのは、オジエと同郷、フランスのブライアン・ブフィエ。モンテカルロでは、新規定マシンのフォード・フィエスタWRCでの初参戦も経験した。ツール・ド・コルスには、これまで7回参戦しており、2013年にはERC優勝を果たしている。WRC戦としての参戦は3回で、2015年の総合8位がベストリザルトだ。
「ツール・ド・コルスは、長い間、自分の大好きなイベントになっている。道はもちろん、島の人々も素晴らしい。最高のラリーなので、毎年楽しみにしている」とブフィエ。
「テストでは、マシンバランスにいいフィーリングをつかんだ。チームと一緒に作業することで、セットアップにいいソリューションを見つけることができたので、実戦で披露していければと思う。コルシカで特に試練となるのは、ロングステージで一貫性のある走りをして、ミスを避けること。それが自分たちの目標でもある。いいタイムを出していきたいし、そうすればこの最高のマシンをもっとドライブできるチャンスも生まれる!」