4月28日(土)、2018年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦ラリーアルゼンチンの競技3日目がビジャ・カルロス・パスの西北~北側エリアを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組が総合首位の座を堅持した。また、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組は、総合6位に順位を上げた。
デイ3は、サービスパークが置かれるビジャ・カルロス・パスの西~西北に広がる山岳地帯がメインステージとなり、午前中はハイスピードなコーナーが続くSS10の終盤に濃い霧が出るなど難しい走行条件となった。しかしタナックは、ペースノートを読み上げるコ・ドライバーのヤルヴェオヤを信じ、視界が悪い中でアタックを続け3ステージ連続でベストタイムを記録。前日のデイ2も含めると、6ステージ連続でのベストタイムを奪取した。さらに、午後の再走ステージとなるSS13とSS14でもベストタイムを刻み、今季の通算SSベストタイム獲得回数を28とし、総合2位の選手とのタイム差を46.5秒に拡大した。
一方、ラリーアルゼンチン初出場のラッピは、午前中最初の2本のSSでは好タイムを記録した。しかし、深い霧に包まれた3本目のSS11でコ・ドライバーのペースノート読み上げミスによりコースアウト。ただしクルマにダメージはなく、その再走ステージとなった午後のSS15ではセカンドベストタイムを記録するなど速さを示し、デイ2よりもふたつ順位を上げることに成功した。
トミ・マキネン(チーム代表)
「本日もまたオットにとって素晴らしい1日となりました。大きな自信を持っている姿は頼もしく感じられ、彼のスピードを阻む要素は見当たりません。あとは、明日もうまく行くように祈るだけです。明日のステージはそれほど高速ではありませんが、石が多くとても難しいステージであることを我々は知っています。今朝のステージは濃い霧に包まれ、エサペッカにとっては不運な事も起こりましたが、全般的に良い走りをしていましたし、アルゼンチン初出場であるにも関わらず、午後はスピードが上がってきたので健闘していると思います」
オィット・タナック
「すべてが本当に上手く行っています。クルマに対しては非常に良いフィーリングを感じていますし、特に今日のSSのような高速で流れるようなコーナーが続くコースは、我々のクルマにとても合っていると思います。昨日は限界まで攻め切りましたが、今日はそれほど激しくアタックしませんでした。コントロールした走りを続けたつもりなのですが、それでも良いタイムを記録することができました。今朝は濃い霧が出るなど本当に難しい状況でしたが、上手く走りきることができたと思います。そして、霧が晴れた午後のステージでは心から走りを楽しむことができました。明日のエル・コンドールとミナ・クラベロのステージはとてもタフな道が続き、今日のステージとは大きく異なるので、慎重な姿勢を忘れずに臨む必要がありますが、それでも自信はあります」
エサペッカ・ラッピ
「今朝はクルマとセットアップがとても具合良く感じられ、良いスタートを切ることができました。しかし長いSSでペースノートの読み上げミスがあり、深い霧の中で何も見えず間違った方向に進みコースを外れてしまいました。何にもぶつからなかったのはラッキーです。我々は人間なのですからミスをすることもあります。午後のステージでは良い走りができました。既に昨日からオットが素晴らしい走りをしている事からも、クルマに高いパフォーマンスがあることは分かっていましたが、私も一歩一歩スピードを高めていっています。私が走った後、路面はどんどんとクリーンになって後続のライバル達が有利な状況でしたが、それでも良いタイムを刻むことができたので自分のスピードには満足しています。このラリーアルゼンチンでは毎日コースの特徴が変わり、明日は速度域が低く、多くの石が転がる狭い道が続く、テクニックを要するコースを走ります。ですので明日も今日と同じように自信を持って走れるかどうかは分かりませんが、精一杯頑張りたいと思います」
WRCアルゼンチン SS15後結果
1. オィット・タナック トヨタ・ヤリスWRC 2:58:33.9
2. ティエリー・ヌービル ヒュンダイi20クーペWRC +46.5
3. ダニ・ソルド ヒュンダイi20クーペWRC +1:08.2
4. セバスチャン・オジエ フォード・フィエスタWRC +1:59.0
5. アンドレアス・ミケルセン ヒュンダイi20クーペWRC +2:13.8
6. エサペッカ・ラッピ トヨタ・ヤリスWRC +2:42.9
7. エルフィン・エバンス フォード・フィエスタWRC +2:49.1
8. クリス・ミーク シトロエンC3 WRC +3:20.4
9. テーム・スニネン フォード・フィエスタWRC +4:17.6
10. カッレ・ロバンペラ シュコダ・ファビアR5 +10:50.2
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R. ヤリ‐マティ・ラトバラ トヨタ・ヤリスWRC