フォルクスワーゲンは、12月8日(土)にモナコで2013年WRC(世界ラリー選手権)の参戦体制発表会を行なった。
発表会ではまずはじめにチームの選手が紹介された。メインドライバーは、2011年のはじめからマシンの開発に携わってきたセバスチャン・オジエ(フランス)と、11月にフォードからの移籍を発表したヤリ‐マティ・ラトバラ(フィンランド)のふたり。さらに、IRC(インターコンチネンタルラリーチャレンジ)で2年連続王者となった若手のアンドレアス・ミケルセン(ノルウェー)がサードドライバーを務める。オジェとラトバラはジョイントナンバー1待遇で2013年の全13戦に出場。ミケルセンはマシン製作の都合で第4戦ラリーポルトガルからの出場となるが、最終的な参戦数はまだ決定していない。
選手紹介に続いてはモナコの中心部、カジノ前で参戦マシンが発表された。カジノ前の広場に「ラリーモンテカルロ」のロゴが描かれたスタート台が設けられ、オジェの運転によりポロR WRC 2013が姿を現し最新のエクステリアとカラーリングが初公開された。
最新のポロR WRC 2013は、以前に公開されていたテストカーと比べるとエクステリアのデザインが迫力アップ。前後のフェンダーが力強く張り出し、リヤウイングの造形も見直された。カラーリングは爽やかなホワイトをベースにブルーとシルバーグレーがあしらわれ、さらにレッドブルのスポンサーロゴが幅をきかせる。長年シトロエンのスポンサーを務めてきたレッドブルだが、来季からはフォルクスワーゲンを支援していくようだ。
開発を担当したオジエは「チーム一丸となってマシンを準備してきた。テストを重ねることでポロR WRC2013はかなり進化したが、まだ完璧ではない。来年の開幕戦ラリーモンテカルロに向けてさらにテストを行い完成度をさらに高めたい」と、コメント。
フォードとの契約が今年いっぱい残っているため真っ白なレーシングスーツで壇上に上がったラトバラは「フォルクスワーゲンというビッグチームで新たなキャリアを踏み出すことに興奮している。ポロRWRC 2013は初めてドライブした時とても良い印象を持った。引き続き開発は必要だが、必ずや速く強いマシンに成長するだろう」と、述べた。
フォルクスワーゲン・モータースポーツのディレクター、ヨースト・カピートは「WRCは競争が厳しく、新規参入チームがすぐに勝てるほど甘い世界ではない。初年度の2013年は何度か表彰台に上がることを目標とする。そして2014年に優勝を狙い、2015年はできるだけ多く勝ってタイトルをとりたい。焦らずにじっくりと前に進んでいくつもりだ」と、極めて慎重な言葉を口にした。
ポロR WRC 2013は来年1月15日にスタートするWRC第1戦ラリーモンテカルロでいよいよ実戦デビュー。ドイツの巨人、フォルクスワーゲンの参戦でWRCに対する注目度は一気に上がることだろう。