WRC第6戦ラリーポルトガルは5月17日、グイマラエス城でのスタートに引き続き、ルーサダのラリークロスサーキットで開幕ステージ(3.36km)が行われ、前戦アルゼンチンでトヨタでの初勝利を飾っているオィット・タナックがトップタイムをマーク。首位発進を決めた。
夕暮れの日差しの中、3万人の観客を集めた2台並走のミックス路面ステージで、タナックはアンドレアス・ミケルセンと対戦。それまでテーム・スニネンが維持していたトップタイムを0.4秒更新した。スウェーデン以来の参戦となるヘイデン・パッドンと対戦したスニネンのタイムも、チームメイトの世界王者セバスチャン・オジエと並ぶセカンドベストと、ポテンシャルを発揮している。オジエと対戦したのは、ドライバーズ選手権で2番手につけるティエリー・ヌービルだったが、オジエに1秒以上の遅れをとった。
アルゼンチンでは圧勝ペースを見せていたタナックだったが、ポルトガルでの週末でも同じ展開になることはないと自覚しているようだ。
「ここで圧勝するのは難しい。明日のグラベルがどれだけルーズなのか、よく知っているし、アルゼンチン以上に砂利掃きの影響が大きい。明日、いい順位で終えることが鍵になる。そうすれば、土曜日にハードに戦うことができる」とタナック。
シトロエンのクリス・ミークとヒュンダイのアンドレアス・ミケルセンが、フォード勢にちょうど1秒差の同タイムで4番手につけた。
一方、シェイクダウンでベストタイムを叩き出していたトヨタのヤリ‐マティ・ラトバラは、ヘアピンでストールを喫し、4秒近くをロスしてしまった。
「ブレーキをかけた時に、エンジンが完全にカットされた。エンジンにこんなことが起こるなんて妙な現状。しっかり調査しなくてはならない。心配ではないが、悩ましいね」とラトバラ。
Mスポーツ・フォードのエルフィン・エバンスは、この日午前に行われたシェイクダウンで着地の際に強打し、マシンにダメージを負っており、クーリングシステムを交換してスタートに臨み、このステージはダニ・ソルドと同タイムの7番手タイムで滑り出している。
本格的に競技が始まる18日金曜日は、スペインとの国境に近いエリアに設定される3SSを2回ループ。日中サービスはマトシンホスに設置され、この日はポルト市街地を走行する1.95kmのショートステージ2本で締めくくられる。この日の総ステージ走行距離は148.66kmとなっている。
WRCポルトガル 暫定結果(SS1後)
1. オィット・タナック トヨタ・ヤリスWRC 2:34.3
2= テーム・スニネン フォード・フィエスタWRC +0.4
2= セバスチャン・オジエ フォード・フィエスタWRC +0.4
4= クリス・ミーク シトロエンC3 WRC +1.4
4= アンドレアス・ミケルセン ヒュンダイi20クーペWRC +1.4
6. ティエリー・ヌービル ヒュンダイi20クーペWRC +1.5
7= エルフィン・エバンス フォード・フィエスタWRC +1.6
7= ダニ・ソルド ヒュンダイi20クーペWRC +1.6
9. マッズ・オストベルグ シトロエンC3 WRC +1.7
10. エサペッカ・ラッピ トヨタ・ヤリスWRC +1.8
11. ヘイデン・パッドン ヒュンダイi20クーペWRC +2.4
12. クレイグ・ブリーン シトロエンC3 WRC +2.5
13. ヤリ‐マティ・ラトバラ トヨタ・ヤリスWRC +3.9