セバスチャン・オジエがWRCメキシコのパワーステージで科されたタイムペナルティに対して行った抗議について、FIAは却下の裁定を下した。
Mスポーツ・フォードWRTが行った抗議については、5月上旬にFIAの国際控訴審で聴聞会が行われていたが、5月18日、FIAが抗議を却下することを発表した。
ラリーメキシコをトップフィニッシュしたオジエだが、イベントのスチュワードは、最終パワーステージでオジエがシケインのバリアを弾き飛ばしたことから10秒のペナルティを科した。オジエはこのステージで、オィット・タナックに続くセカンドベストタイムをマークし、ボーナスポイント4を獲得していた。しかし、SSタイムに対して10秒のペナルティが与えられた結果、オジエのステージタイムは7番手に後退し、上位5番手までに与えられるボーナスポイントの圏外となった。
裁定では、却下の理由について、このシケインは多くの観客が観戦するエリアで安全のために速度を落とす理由で設置されたこと、オジエがこのステージの1回目の走行でもバリアにヒットしていたが2回目(パワーステージ)の際にも走行を変える姿勢が見られなかったこと、オジエがヒットして動いたようにバリアの位置は常に同じという訳ではなくそれは他のドライバーにとっても同じであること、などの点を挙げている。
今回、却下の裁定が下ったことで選手権ポイントの変動はなく、マニュファクチャラーズ選手権もこの結果による影響は出ない。控訴審は、Mスポーツ・フォードに、聴聞会にかかった費用の全てを負担することを指示した。