2012年WRCもついに最終戦。シーズンを締めくくるイベントは第13戦ラリー・デ・エスパーニャ。ラリー・グレートブリテンにかわってファイナルラウンドの栄誉を得た。そのため開催時期が例年よりも遅くなり、11月の第2週がラリーウィークに。ラリーのホストタウンをつとめるビーチリゾートのサロウは、オフシーズンのため人影がまばらだ。気温は朝晩はかなり冷え込み冬の訪れを感じさせる。
グラベルとミックスのSSを使うデイ1に関しては、完全なグラベル仕様のマシンとタイヤで走行し、デイ2とデイ3はフルターマック仕様で走る。そのため、メカニックたちはデイ1の全SS終了後にグラベル仕様からターマック仕様へとマシンをコンバートしなければならない。通常よりも長い75分間のサービスが設定されているとはいえ、彼らの作業は時間との戦いだ。
予選は、8日(木)の午前中に行われ、「ベストタイムを狙ってはいなかったが、リラックスして走ったら良いタイムが出た」と、余裕のセバスチャン・ローブ(シトロエンDS3 WRC)がトップタイムをマーク。2位はD-MACKタイヤを装着するフォード・フィエスタRS WRCで出場することになったエフゲニー・ノビコフ。ノビコフのかわりにMスポーツのノミネートを受けたのは、カリブの小国トリニダード・トバゴ出身のジョン・パウエルだ。予選3位にはミッコ・ヒルボネン(シトロエンDS3 WRC)が入り、4位ヤリ-マティ・ラトバラ、5位ペター・ソルベルグとフォードワークス勢が続いた。
ローブは「出走順はそれほど大きな問題とならないかもしれないが、完全にドライとなった場合はやはり後方スタートの方が有利だろう」と分析。最も後方となる14番手スタートを選んだ。予選2位のノビコフは13番手、予選3位のヒルボネンは12番手、4位ラトバラは11番手、5位ソルベルグは10番手と出走順枠は後ろから順当に埋まっていった。
セレモニアルスタートの開催地に選ばれたのは、バルセロナ中心部サンタ・エウラリア大聖堂前の広場。バルセロナで大聖堂=カテドラルといえば、サンタ・エウラリアをさすほどの観光名所である。午後7時30分、最初のラリーカーが夕闇に浮かび上がるサンタ・エウラリア大聖堂を背にランプオフ。2012年WRC最終戦ラリー・デ・エスパーニャは、荘厳な雰囲気のなかスタートした。