TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの勝田貴元と新井大輝が、6月7-10日に開催されたFIA世界ラリー選手権第7戦ラリーイタリア・サルディニアのWRC2部門に参戦した。勝田/マルコ・サルミネン組、新井/ヤルモ・レーティネン組は、スピードを見せながらも2台ともにリタイアとなった。
ラリーイタリア・サルディニアは、WRCシリーズの中で最も暑いラリーの一つとして知られているが、今年は例年にない雨の影響を受けてデイ2は非常に難しい路面コンディションとなり、岩と木々に挟まれた道幅の狭いステージで多くのドライバーが苦戦を強いられた。
今回は、新井/レーティネン組にとってコンビを組んで初めてのラリー。SS3でクラストップタイムをマークし総合でもクラストップに立つと、続くSS4でもクラス2位のタイムを記録するなど素晴らしいスタートをきった。しかし、SS5で岩にヒットし、ステアリングアームの損傷によりコースアウト。エンジンにもダメージが及び、早々にリタイアを余儀なくされてしまった。
一方、勝田/サルミネン組は、序盤クルマのフィーリングに悩みながらも徐々に順位を上げ、デイ2をクラス5位で終えると、デイ3はさらにペースを改善。その日の最終ステージの前までクラス3位の位置をキープしていたが、SS16でパンクを喫して約2分をロスし、7位でデイ3を終えた。ポディウム争いから外れた最終日デイ4は完走を目標に出走したものの、最初のステージでドライブシャフトが破損し、再びリタイアとなってしまった。
勝田貴元
「金曜日はあまり良いタイムを出すことができませんでしたが、自分の改善点を見つけることができました。土曜日は、お昼のサービスでいくつか変更を施した後、フィーリングがとても良くなり、タイムも上がりました。ですが、土曜日の最終ステージでパンクをしてしまい、タイヤ交換でタイムをロスし、ポディウムのチャンスがなくなってしまいました。最終日はとにかく走り切って経験を積みたいと思っていたので、それができずとても残念でしたが、前を向いて次のラリーへの準備をしていきます」
新井大輝
「あまりに早くラリーが終わってしまいとても残念です。SS5のあるコーナーで少しインカットしすぎ、岩にヒットしました。それによってステアリングアームを損傷し、その影響でコースオフした際に大きな岩にあたり、エンジンにもダメージが及んでしまいました。ですが、ヤルモと組んで初めてのラリーだったにもかかわらず、それまではとてもいいタイムが出せていたことに驚きました。お互いがとても早く相手に合わせることができたからだと思います。あともう少しペースノートに微調整を加えれば更に良くなると思います。リスクを取ることなくクラストップのタイムを出せたことは今後にとって非常にポジティブな要素でした」
ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター)
「両ドライバー共にリタイアとなる厳しいラリーでしたが、二人ともスピードは証明してくれました。勝田は序盤セッティングが合わず難しいスタートとなりましたが、ラリー中に改善し、より良いセッティングを見つけることができました。また、レーティネンと組んで初のラリーとなった新井のスピードはとても満足いくものでした。結果は残念でしたが、1年前の同イベントと比べ二人の成長は明らかに見てとれました。次のイベントは非常に重要なフィンランドでのラリーとなるので、次戦に向けて集中を高めていきます」
次戦、勝田と新井は7月12-14日にフィンランドで開催されるオートグリムラリーに参戦する。その2週間後に行われるWRC第8戦ラリーフィンランドの準備として、よく似た高速グラベルステージで行われるこのラリーに参戦し、最終調整を行う。
ラリーイタリア WRC2結果
1. Jan Kopecky/Pavel Dresler (Skoda Fabia R5) 3:42:33.3
2. Ole Christian Veiby/Stig Rune Skjaermoen (Skoda Fabia R5) +3:02.6
3. Nicolas Ciamin/Thibault de la Haye (Hyundai i20 R5) +3:18.7
4. Fabio Andolfi/Simone Scattolin (Skoda Fabia R5) +6:32.2
5. Lukasz Pieniazek/Przemyslaw Mazur (Skoda Fabia R5) +7:11.3
R. 勝田貴元/マルコ・サルミネン (Ford Fiesta R5)
R. 新井大輝/ヤルモ・レーティネン (Ford Fiesta R5)