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ERCキプロス:波乱の最終SS、0.6秒の僅差で地元のガラタリオティスが優勝

©ERC / Gregory Lenormand / DPPI

ERC第4戦キプロスラリーは6月16−17日、キプロス島で開催され、地元の英雄シモス・ガラタリオティス(シュコダ・ファビアR5)がブルーノ・マガリエス(ファビアR5)との激闘を制して、わずか0.6秒差で優勝を飾った。これは、ERC史上3番目の僅差だ。

ラリーは首位が目まぐるしく入れ替わり、オープニングの3SSは選手権リーダーのアレクセイ・ルキヤナク(フォード・フィエスタR5)がトップ。しかしSS4でルキヤナクがクラッシュを喫しリタイアすると、SS4でナッサー・アル‐アティヤ(フィエスタR5)が首位に浮上する。さらにSS6ではシュコダ・モータースポーツが支援するフィンランドの新鋭ユーソ・ノルドグレン(シュコダ・ファビアR5)がトップを奪って、初日を折り返した。4.6秒のリードを握ってレグ2を迎えたノルドグレンだったが、SS9をスタートして1コーナー目でまさかの転倒。ここで1分をロスし、ポディウム圏内から脱落してしまう。これでガラタリオティスが今イベント初めて首位に上がるが、マガリエスが3.3秒差で追っており、さらに土曜日に2回のパンクで後退していたアル‐アティヤも猛烈な勢いで追い上げていた。

ERC / Gregory Lenormand / DPPI


ガラタリオティスは、日中サービスまでにマガリエスとの差を12.7秒にまで広げていたが、アル‐アティヤとの差は18.3秒に。 選手権争いを視野に入れるマガリエスは、確実にポイント獲得を目指すためにここでポジションキープに入り、優勝争いはガラタリオティスとアル‐アティヤの対決に。アル‐アティヤは最終1本前のSS12で激走を見せると、ここでガラタリオティスをかわして首位に再浮上する。両者2.3秒で迎えた最終SS13は19.82km。ここで、ERCの歴史に残るドラマチックなフィナーレが待っていた。アル‐アティヤの到着を待つステージフィニッシュで、先に登場したのは、マガリエス。アル‐アティヤは、ステージ途中で右フロントタイヤがスローパンクを起こし、7kmほど走行を続けたフィニッシュ目前でついにタイヤ交換を余儀なくされたのだ。これで、アル‐アティヤのイベント6度目の優勝の望みは失われてしまった。

これで優勝はほぼ確実と見られたガラタリオティスだったが、ドラマはまだ終わっていなかった。ガラタリオティスも右フロントのパンクを喫し、ベストタイムから30秒以上遅れてしまったのだ。しかし、このステージ4番手タイムに終わっていたマガリエスに対して11.4秒のマージンを握っていたガラタリオティスが、0.6秒ギリギリのところでフィニッシュに飛び込み、優勝をつかみ取った。

堅実なアプローチを選び、結果的に2位フィニッシュとなったマガリエスは、これで選手権争いでは今回リタイアに終わったルキヤナクをかわして首位に浮上した。

ERC / Thomas Fenetre / DPPI


ERC2は、キプロス出身のペトロス・パンテリ(三菱ランサーエボリューションX)、ERC3はローラン・ペリエ(プジョー208 R2)が部門優勝を飾った。パンテリはERC2初優勝。ペリエは、通常はプジョーラリーアカデミーで208 T16をドライブしているが、今回はサンテロック・ジュニアチームから参戦。13分以上の大差をつけての圧勝だった。

ERC / Thomas Fenetre / DPPI


ERC / Thomas Fenetre / DPPI

ERCキプロス 最終結果
1. S.ガラタリオティス(シュコダ・ファビアR5) 1:55:40.2
2. B.マガリエス(シュコダ・ファビアR5) +0.6
3. N.ヘルチグ(シュコダ・ファビアR5) +1:21.4
4. N.アル‐アティヤ(フォード・フィエスタR5) +2:27.0
5. O.アビショグル(シュコダ・ファビアR5) +3:05.7
6. V.シュタフ(シュコダ・ファビアR5) +3:25.1
7. D.ボッカ(シュコダ・ファビアR5) +3:38.5
8. A.ボン・ターン・フンド・タクシス(シュコダ・ファビアR5) +3:43.2
9. P.パンテリ(三菱ランサーエボリューションX) +6:44.6
10. A.トソウロフタス(シトロエンDS3 R5) +6:50.2



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