今季いっぱいでフル参戦から退くことを表明した直後、母国フランス戦でWRC9連覇を確定させるなど、有終の美に完璧なお膳立てが整ったセバスチャン・ローブ。9連覇をコ・ドライバーとして常に支えてきたダニエル・エレナ(写真左、こちらもコ・ドライバータイトル9連覇)はローブが一線から退いた後、どのような活動をしていくのだろうか。
ローブは来季のWRC参戦プランとして、少なくとも2戦(モンテカルロとフランス)、最大でも5戦としており、当然エレナがローブと共に参戦するのも同じ数となる。
エレナは現在、ローブとのWRC参戦のかたわら、モナコを拠点にオールスポーツマネジメントというマネジメント兼イベント会社を経営している。エレナが支援しているドライバーのひとりに、フランス戦で初めてシトロエンDS3 WRCでのWRC参戦に挑み、10位入賞と健闘したセバスチャン・シャルドネがいる。現在23歳のシャルドネだが、来季そのコ・ドライバーを務める予定はないという。
「セバスチャン(シャルドネ)にはいいコ・ドライバー(チボー・デラヘイ)がいるし、しかも有能だ。僕が来年コ・ドライバーを務めるセバスチャンはひとりだけ、ローブだよ!」とエレナ。
もし来季、ラリーカーに乗るエレナを見かけるとしたら、それはドライバーとしてのことになりそうだ。1997年にはドライバーとしてラリーモンテカルロにも参戦しているエレナは、自身でもシトロエンDS3 R3Tを所有しているが、コ・ドライバーとしてのWRC参戦に忙殺され、ドライビングをする時間がなかったという。
「何戦かドライバーで参戦できれば楽しいだろうけど、マネジメント会社でかなり忙しくなると思う」とエレナ。「セバスチャンの決断は、まったく理解できるよ。特にテストや遠征続きの日常は、ちょっと疲れる」
来季はフル参戦のチャンスがなくなるエレナだが、遅かれ早かれこの日がやってくることは分かっていたこと。エレナ自身も、その後についての準備は万端だったというわけだ。