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WRCフィンランド事前情報:シーズン後半戦は伝統の高速グラベルラリーから

©Toyota / @World

今季のWRC第8戦を務めるラリーフィンランドは、シリーズ伝統のイベントとして常にカレンダーに加わっている一戦。先の見えない恐怖と試練に立ち向かう勇気が試される。シリーズ屈指の高速グラベルとして知られるステージは、スムーズではあるが、胃が縮みそうになる大ジャンプやブラインドクレストが連続し、「フィンランドグランプリ」としても知られる独特のキャラクターを持つ。

1951年、1000湖ラリーとして行われたこのイベントは、当初はラリーモンテカルロに参戦するフィンランド人ドライバーを決めるラリーとして始まった。1973年、WRC創立初年にカレンダーに加えられて以来、毎年開催されている。これまでの67回の開催のうち、フィンランド人ドライバーによる勝利は55回におよぶ。

固く締まったグラベル路は、ワイドでリズミカル、ナローでテクニカルなセクションがミックスされ、スムースな路面であることから、メカニカルトラブルが起こることは少ない。一方で、コーナーの後にブラインドクレストが隠れていたり、ジャンプの前にマシンをどの位置につけておくかが勝負の鍵となることから、精密なペースノートの作成が重要となる。

シリーズは、ここから後半戦に突入。選手権争いではティエリー・ヌービルが27ポイントのリードを築いての首位で、残り8戦を迎える。このポイント差は、WRC5連覇王者のセバスチャン・オジエが、この5年間のどの年のリードよりも上回る。ヌービル、オジエは今季ここまで、それぞれ3勝をマークしている。その他に勝利を飾っているドライバーは、選手権3番手につけているオィット・タナックのみ。選手権4番手につけるチームメイトのエサペッカ・ラッピは、母国戦でWRC初優勝を飾った2017年のラリーフィンランドの再現を狙う。マニュファクチャラーズ選手権でもヒュンダイが首位に立っている。このフィンランドでは、シトロエンはクレイグ・ブリーン、マッズ・オストベルグに加え、ハリ・アル‐カシミが登場。マニュファクチャラーズ選手権登録4チームがすべて、3台体制で臨む。

WRC2部門は、18台のエントリーを集めた。選手権上位のポンタス・ティデマンド、ヤン・コペッキーが出場を見合わせていることから、ライバル勢はタイトル争いのギャップを詰めることを狙う。フィンランドを含めて残り2戦となっているJWRCは、15台がエントリー。さらに3台が、同様の2WDマシンで同部門を戦う。

■ラリールート

FIA

今年のラリーフィンランドは、昨年ルートから65%が変更され模様替え。昨年と同じステージは、ピラヤコスキのみとなる。シェイクダウンコースもあらたに、ベサラとなり、木曜日に行われる。この日の夕方、微調整が行われたユバスキラの市街地ステージ、ハルユを走行する。金曜日は、拠点の西部に向かい林道ステージ9本を走行した後、再びハルユを走行。アサマキ(SS4/9)はまったくの新設ステージ。アーネコスキ(SS5/10)は、昨年のコースを逆走する。ヤムサ周辺を走行する土曜日は、4SSを2ループする総ステージ走行距離が143km、走行時間が16時間におよぶ、山場の一日。一方、日曜日はイベント最短距離の一日だが、過酷さは変わらない。ルーヒマキとラウカア、2本のクラシックステージを2ループするが、どちらも今年は昨年とは逆走の設定だ。ルーヒマキは、これまでシェイクダウンに使用されていたコースで、胃の縮むようなジャンプも待ち構えるこのステージが、すべてを決めるパワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2018年7月26-29日
サービスパーク設置場所:ユバスキラ
総走行距離:1,426.84km
総ステージ走行距離:317.26km(SS比率:22.2%)
総SS数:23

■開催選手権
WRC
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JWRC



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