7月26日〜29日にかけて開催されるWRC第8戦ラリーフィンランドは、木曜日のシェイクダウンテストを終了し、シトロエンC3 WRCのマッズ・オストベルグがトップタイムをマークした。2番手にはチームメイトのクレイグ・ブリーン。3番手にはトヨタ・ヤリスWRCのヤリ‐マティ・ラトバラ、4番手にチームメイトのオィット・タナックがつけている。
前戦から約ひと月のインターバルを挟んでの開催となった今回のフィンランドには、各チームともそれぞれのマシンに大小様々なアップデートを施しての参戦となった。大きくエアロパーツを変更してきたMスポーツ・フォード、エンジンをアップデートしたトヨタ、駆動系に変更を加えたヒュンダイやシトロエンなど、前半戦の勢力図がどう書き換えられるのか注目が集まる。同時にティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)とセバスチャン・オジエ(Mスポーツ・フォード)のタイトル争いからも目が離せない。
シェイクダウンのコースはホストタウンのユバスキラから20kmほど西へ移動した林道ステージ。距離は4.26㎞ながらスピードの乗るストレートもあり、いかにもフィンランドらしいグラベルコースとなっている。
ここでトップタイムをたたき出したのはオストベルグ。変更を施したフロントの新たなジオメトリーが効いているとみられ、3度目の走行で1分54秒8と、ひとり54秒台に入れている。これにブリーンが続き、タイミングボードはシトロエンの1-2となっている。
シトロエン勢に続くのは、トヨタのラトバラとタナック。新型エンジンの効果もさることながら、ラトバラにとっては1年以上優勝から遠ざかっていることもあり、ぜひともホームグラウンドでシーズン初優勝を手に入れ、シーズン中盤の悪い流れを断ち切りたい。チームメイトのタナックは7月中旬に開催された地元エストニアでのラリーで勝利を収めており、手応えをつかんでいる様子だ。
5番手に入ったMスポーツ・フォードのテーム・スニネンの背後には、ヒュンダイ勢が続く。ティエリー・ヌービル、アンドレアス・ミケルセン、ヘイデン・パッドンの3台が0.1秒差ずつで肩を並べた。
なお、WRC2に参戦する勝田貴元は22番手(R5勢10番手)、新井大輝は21番手(R5勢9番手)タイムをマークしており、3度目の挑戦となるラリーフィンランドに臨む。またヤルコ・ニカラ/足立さやかも今回はWRC2部門にエントリー。フォード・フィエスタR5で地元のライバルたちと同じ土俵で戦うことになる。ニカラは23番手(R5勢11番手)タイムとなっている(順位はいずれも途中経過)。
ラリーは27日の午前1時(現地時間26日19時)、SS1の市街地ステージ・ハルユ(2.31km)からスタートする。
WRCフィンランド シェイクダウン結果
1. マッズ・オストベルグ/トルステイン・エリクセン シトロエンC3 WRC 1:54.8
2. クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン シトロエンC3 WRC +0.6
3. ヤリ‐マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ トヨタ・ヤリスWRC +1.1
4. オィット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ トヨタ・ヤリスWRC +1.2
5. テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ フォード・フィエスタWRC +1.8
6. ティエリー・ヌービル/ニコラ・ジルスール ヒュンダイi20クーペWRC +1.8
7. アンドレアス・ミケルセン/アンデルス・ヤーゲル ヒュンダイi20クーペWRC +1.9
8. ヘイデン・パッドン/セバスチャン・マーシャル ヒュンダイi20クーペWRC +2.0
9. セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア フォード・フィエスタWRC +2.4
10. エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム トヨタ・ヤリスWRC +2.5
11. エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット フォード・フィエスタWRC +3.0
12. ハリ・アル‐カシミ/クリス・パターソン シトロエンC3 WRC +6.1
13. オーレ‐クリスチャン・ベイビー/スティグ・スキャルモン シュコダ・ファビアR5 +8.1
21. 新井大輝/ヤルモ・レーティネン フォード・フィエスタR5 +11.9
22. 勝田貴元/マルコ・サルミネン フォード・フィエスタR5 +12.1
23. ヤルコ・ニカラ/足立さやか フォード・フィエスタR5 +12.7