元WRCチャンピオン、ペター・ソルベルグを父に持つオリバー・ソルベルグが、7月18‐21日に開催されたノルウェーのヒルクライムイベント、ノルゲ・レステ・バッケロップで、父ペターを抑えて優勝を飾った。
かつて父が駆ったシトロエン・クサラWRCで参戦したオリバーは、このマシンでの初めての参戦ながら3.2kmのヒルクライムコースを1:39.33という好タイムでフィニッシュ。アンドレアス・バックラッドや叔父であるヘニング・ソルベルグが昨年マークしたタイムを上回り、新記録を樹立した。
「すごく気に入った!」と目を輝かせるオリバー。
「このマシンは、とにかくすごい。すごいなんてものじゃないよ。これで何度も走ってみたい。360馬力のフル仕様のWRカー、パドルシフト、何もかも自分が夢に見ていたものばかりだ」
「今回の参戦を許し、機会を与えてくれた母と父に、心から感謝したい。そしてもちろん、自分のために必死に取り組んでマシンをプリペアしてくれたPSRXのみんなにも」
ノルウェー最大級のヒルクライムイベントを制したことで、オリバーにとっての夢が一つ実現した。加えてコースレコードの更新が華を添えた。
「イベントは、とても順調に進んだ」とオリバー。
「3回しか走行できなかったが、必死でプッシュし、いい走りができた。フィーリングは何もかもよかった。マシンの手応えもよく、自分に自信を与えてくれた」
「父にも感謝しなくてはならない。熟知しているこのマシンの秘密を、いくつか解き明かしてくれた」
一方、その父のペターは、オリバー車よりも100馬力少ない30年前の2WDマシンでの参戦。クラス2位でのフィニッシュとなったが、ドリフトを披露しながらコースを上っていくだけで、大満足だったようだ。
「素晴らしいイベントだった」とペター。
「パニラと自分は、オリバーが成し遂げたことを心から誇りに思う。とても賢明な走りだった。自分? 自分は、今回は素直に楽しむため、ドリフトしに来たんだ。何人かを笑顔にすることはできたんじゃないかな? それだけでハッピーだよ」