WRC第8戦フィンランドは7月28日、8SSを戦い、前日デイリタイアを喫したTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの新井大輝、足立さやかのふたりは、この日は最後まで走り切った。勝田貴元は昨日のパワステトラブルによるクラッシュのダメージがひどく、再出走は叶わなかった。
「クリーンに走りたい」
トラブルが多い展開からの解放を願っていた新井。しかし、この日のオープニングでいきなりスタビライザーが破損してしまう。
「なんとか(続くSS)を走り切ってサービスまでたどり着きました」と語っていたものの、サービスでマシンを直し臨んだ2ループ目も最初のステージでブレーキキャリパーに小穴が開くというまさかのトラブルに見舞われた。満足な減速ができないまま新井は午後のステージも走ることなった。
「結局、今日も一本もクリーンに走れませんでした。運が悪い。でも、1ループ目にスタビライザーが折れるまでのタイムは悪くなかった。ノートラブルで行けていれば、ポディウム争いはできていた手応えはありました。しかも、無理に攻めることはしないでも、あれだけのタイムだったので……」
上位陣にトラブルが相次いだため、最終日はWRC2の7番手で迎える。
「明日はちゃんと走りたい」という新井の言葉には切実な願いが込もっていた。
WRCフィンランド初出場となる足立は、「疲れましたが、今日はやりきった感があります。午前中のループはなかなかいいリズムがつかめなかったものの、午後は道に慣れてきたこともあり、(ノート)が読みやすくなったかなと思います。ラリーフィンランドは国内選手権と似ている部分もありますが、距離が長いし、(コ・ドライバーに)求められるものもすごくたくさんある。今回はちょっとノートを外したら、すぐゴロンといってしまうので、プレッシャーも大きいんですが、(一日を走り終えて)一段階大きくなったんだろうなと実感しています」と充実の表情。最終日も、「走行マイルを稼ぐことが、最大の使命なので、明日も完走したい」と力を込めた。