WRCマニュファクチャラーズ選手権争いで現在首位に立つヒュンダイ・モータースポーツは、ラリーフィンランドでは最悪の展開となり、ヘイデン・パッドンの総合4位が最上位という結果に終わった。そして、選手権で2番手につけるライバル、Mスポーツ・フォードも同じように厳しい内容となった。
ヒュンダイの3ドライバー(ドライバーズ選手権リーダーのティエリー・ヌービル、アンドレアス・ミケルセン、パッドン)は、いずれもベストタイムを1本もマークすることができなかった。ラリードイツのサービスパークに現れたチーム代表のミシェル・ナンダンに、この状況について何が起きていたのか聞いた。
ミシェル・ナンダン(MN): i20は、フィンランドであまりパフォーマンスを発揮できなかった。なぜだったのか、分からない。もちろん、他のチームと同様、あのタイプの道であまりテストは行っていなかったし、固い地盤を非常にルーズなグラベルが覆っているような道では、我々のマシンがあまりコンペティティブでないことは分かっていた。これは、我々のマシンのマイナス要素であり、解決できていない部分でもある。ドライバーに自信を与えるために必要な何かが、少し欠けているのではないかと思う。そして、フィンランドのように超高速なステージでは、100%の自信がなければ全開で攻めることはできず、その場合はかなりタイムをロスしてしまう。マシンは、昨年よりよくなっていることは確かだ。こうしたコンディションで、ヘイデンにプッシュするように指示をすることは難しかった。我々は、毎戦でポイントを獲得できるような位置を目指しているし、ポディウムに上がるよりもできる限りポイントをたくさん取ることをより重要視している。
MH: これだけ厳しい結果になることは予想していたか。
MN: 予想していた順位は4位、もしかしたら3位というところだったので、リザルトはOK。予想していたよりも少し悪い内容だが、そう悪くはない。
MH: マシンの欠点は、今年の他のラリーでもそのままになってしまうのか。
MN: 実は、フィンランドではもっと悪くなることを予想していた。できる限りのベストを尽くさなくてはならないことは分かっていた。優勝はあまり狙っていない、特にフィンランドでは。今回のドイツは、少し状況が異なる。他とは違う形で、準備をしてきた。一方で、ドイツでは、我々はいつもいいパフォーマンスができている。ターゲットはいつも同じだ。シーズンの終わりまでは、必ずしも優勝ではないがポイントを獲得すること。我々は、マニュファクチャラーズ選手権を狙っているからだ。
MH: 今年の他のラリーについての予想は? 悪い内容になりそうなラリーは他にあるか。
MN: トルコはみんなにとって新しいラリーだが、あそこも走行順が重要になるので、ティエリーには厳しくなると思うが、それ以外では我々のマシンはあのタイプのグラベルでは比較的いい走りができていると思っている。スペインは、舗装ではもう少し取り組みが必要なので少し複雑だが、いくつか改良しているし、スペインまでにさらに改良を行う予定だ。だからOKのはず。残りのウエールズとオーストラリアについては、いつもいいパフォーマンスが出せているので、今季の残りのイベントはそれほど苦戦しないはず。もちろん、何が起こるか分からないが、準備は万端だ!
MH: 技術面では、今季後半にどんな変更がマシンに行われるのか。
MN: ここまでは、あまりたくさんのことは行ってこなかった。ターマックについてはかなり作業を行ったが、サスペンションのセットアップに関することが多かった。新しいことは今季の終盤に向けて準備ができるはずだが、それを投入するかどうかは、様子を見ていく。ラリーの内容や、選手権での順位がどうなるか次第になるところもあるだろう。
MH: 一年のこの時期、恒例の質問だが、ドライバーとの契約交渉についてはどうなっているのか。
MN: 現状、来年のドライバーズラインナップの計画は、考えてはいるが、それほど優先にしていない。まずはこのラリーを終えて、次はトルコに集中して、それからどうするかを考える。現状の4人のドライバーを継続させるのも、来年の選択肢だ。9月辺りに話し合うが、それより前には行わない。
(Martin Holmes)