フォードのワークスチーム運営やWRCアカデミーのワンメイク車両製作などを手がけるMスポーツが、フォード・フィエスタベースのR5車両を製作していることを、英国オートスポーツ誌が明らかにした。
将来的にはS2000の後継クラスとして設立されたR5規定。主に地域選手権での活躍が期待されており、Mスポーツ製作のフィエスタR5は、来年序盤にも実戦に登場する予定としている。
R5規定には同調するマニュファクチャラーが多く、今月末に開催されるパリサロンではプジョーがR5車両を発表する予定の他、シトロエン、シュコダも同規定のマシンを製作していることが明らかになっている。
Mスポーツが製作しているとされるマシンについては、同社からは公式なコメントは出ていないもの、関係者は「R5マシンはまもなく登場予定で、自然にS2000マシンの後継となっていくだろう。新しいマシンを製作するのは、とてもワクワクするよ」とオートスポーツ誌に語ったという。
このフィエスタR5は、フィエスタRS WRC、RRC、S2000とベースのシェルは変わらないが、エアロパッケージはWRCとは異なるなど、外観上に若干の相違点があるという。エンジンには32mmのリストリクターが装着されるため、30mmのRRCよりもパワフルになるが、エンジンそのものはライフを考慮して設計される。
R5のコストは、フィエスタWRCの半分程度を目指しているため、アップライトなどにもコストを抑える配慮が施される。R5規定では、マシンのコーナー4カ所が共用できなくてはならないと定めているため、全4コーナーのアップライトは全てが同一となる。
「WRCやRRCのアップライトと見比べたら、かなり込み入ったデザインになっていると思うが、これか素晴らしいパフォーマンスを発揮する」と前出の関係者は語る。
「R5のアップライトが動く機能は同じだが、複雑さはない。ギアボックスと同じだ。R5は5速のシーケンシャル。ギアを幅広く使うことで、より強いマシンにできる。活躍を期待している地域は、ペルー、南アフリカ、オーストラリア。エンジニアを必要とせずに走れるんだから、どこでもいいよね」