WRC第9戦ラリードイツは土曜日の競技3日目を終え、トヨタのオィット・タナックが引き続きラリーをリードしている。2番手には43.7秒遅れでヒュンダイのダニ・ソルド、3番手にはトヨタのヤリ‐マティ・ラトバラという順位となった。
この日行われたのは軍事演習場パンツァープラッテを含むSS8〜SS15の計8SS、150.12km。なかでもSS9/12のパンツァープラッテは38.57kmと大会最長で、勝負の行方に影響するSSと目されていた。この日も前日の午後同様、ワークスチームは全車ハードタイヤ5本でステージへと向かっていった。ラリーが始まると、首位争いとともに注目された僅差の4番手争いが動き始める。オープニングステージのSS8でベストタイムをマークしたのはトヨタのヤリ‐マティ・ラトバラ。総合順位でもMスポーツ・フォードのエルフィン・エバンスをかわして4番手に順位を上げた。続いて長丁場のSS9を制したのはソルド。総合6番手からエバンスとラトバラを抜き去り、4番手に躍り出る。SS10はトヨタのエサペッカ・ラッピが一番時計。順位をひとつ上げて6番手に浮上した。
このSS10では、ヌービルがSS9番手タイムとふるわず。ブレーキと駆動系に不調を抱えており、思うようにペースを上げられない。総合4番手のソルドに2.4秒差、同5番手のラトバラに2.8秒差と、3番手の座が危ぶまれる状況となっていた。午前中最後のSS11はシトロエンのクレイグ・ブリーンがベストタイム。ヌービルはこのSSでも9番手タイムとなり、0.1秒差ながらラトバラに逆転を許し総合4番手にドロップしてしまった。このSSではエバンスが脱落し、午前中を終えた段階でタナック、オジエ、ラトバラ、ヌービル、ソルド、ラッピというトップ6が形成された。このうち3番手ラトバラから6番手のラッピまでは8秒差と、まだまだ何が起きるか分からない状態だ。午後のステージではソルドが好調な走りを披露した。SS12でベストタイムをマークし、タイムの伸びないヌービルをパス。総合4番手に駒を進め、続くSS13も制してみせた。このSS12では、総合2番手のオジエがパンクにより1分をロス。ステージは走り切ったものの、総合順位は9番手にまで落ちていた。この結果、タナックに続く総合2番手にはソルド、3番手にラトバラ、4番手にヌービルという上位陣のオーダーとなっている。SS14ではオジエが意地のベストタイム。順位をひとつ上げて総合8番手とした。この日最後のSS15ではラトバラが一番時計。順位は変わらないものの、総合2番手のソルドに0.8秒と迫っている。
競技3日目を終え、総合首位のタナックと2番手ソルドの間には43.7秒という大差が築かれている。タナックにとっては、昨年に続くドイツでの勝利が見えてきたと言えるだろう。以下2番手にソルド、3番手にラトバラ、4番手にヌービル、5番手にラッピが続く。ソルドからラッピまでは15.1秒。競技最終日に向けて、表彰台争いもヒートアップの様相を呈している。競技最終日はSS16〜SS18の3SS、72.18km。トヨタのドイツ初勝利なるか、そして2番手争いは誰が制するのか。SS16は日本時間19日14時49分(現地時間19日7時49分)スタート。
WRCドイツ SS15後暫定結果
1. オィット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ トヨタ・ヤリスWRC 2:23:27.1
2. ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ ヒュンダイi20クーペWRC +43.7
3. ヤリ‐マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ トヨタ・ヤリスWRC +44.5
4. ティエリー・ヌービル/ニコラ・ジルスール ヒュンダイi20クーペWRC +52.5
5. エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム トヨタ・ヤリスWRC +58.8
6. アンドレアス・ミケルセン/アンデルス・ヤーゲル ヒュンダイi20クーペWRC +1:50.7
7. セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア フォード・フィエスタWRC +1:51.2
8. テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ フォード・フィエスタWRC +1:57.0
9. マッズ・オストベルグ/トルステイン・エリクセン シトロエンC3 WRC +2:20.4
10. クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン シトロエンC3 WRC +2:34.4