ルカ・ロセッティがフィアット・グランデプントS2000でERCタイトルを獲ってから7年、イタリア車がFIAタイトルを獲得した。フランス出身の27歳、ラファエル・アスティアが、R-GTシリーズを制したのだ。アスティアが駆ったのは、フィアットのアバルト124ラリーで、70年代にマルセイユ拠点のチーム・ミラノ・レーシングからフィアットがWRCやERCに投入したワークス車のレトロスタイルとなっている。
2015年から始まったR-GTシリーズは、2WD車のみで争われ、名門ターマックラリーで構成される。ここ3年はポルシェ997 GT3勢がタイトルを独占してきた。今年のイベントは、モンテカルロ、ツールドコルス、ラリーディローマ・キャピターレ、バルムチェコラリーズリン、スイスのラリーインターナショナルバレー。アスティアは、最後の3戦をマキシマムポイントで揃えた。
アスティアのタイトル獲得から一週間後、オレカはミラノ・レーシングとのパートナーシップを発表。R4キットを装着したモデル、M500Xで2019年に国内外のラリー参戦を予定している。
24歳のシュコダ・ファビアR5ドライバー、エリック・ピエタリネンがフィンランド選手権エンセットオイラリーで優勝。2018年のフィンランドタイトル獲得を決めた。39歳のニキ・マイヤー・メルンホフ(フォード・フィエスタ)は、オーストリア選手権のベクセランドラリーで、ヨハン・ケファーボック、ゲルハルド・アイグナーらシュコダ勢を抑えて優勝。タイトルを決めている。
シュコダ・ファビアR5を駆るケニアのマンビール・バリヤンとドリュー・スターロックが、隣国タンザニアで開催されたラリーオブタンザニアで優勝し、FIAアフリカタイトルを決めている。これで、クルーはアフリカ選手権4連覇を達成した。
先週は、パラグアイのグスタホ・サバ(シュコダ・ファビアR5)が、ボリビアで開催されたシリーズ最終2戦目、ラリーサンタクルスを制し、6度目のFIAコダスール選手権タイトル獲得を決めた。このイベントで2位に入ったのは、ボリビア出身の17歳、マルコ・ブラシア(フォード・フィエスタR5)だった。
ブラシアは翌週、スペインのカタルニアで開催されたグラベル選手権、チェルメララリーにファビアR5で参戦。プジョー208のチェビー・ポンスを制して優勝を飾った。
開催まで10日という時点で、9月12-14日に開催を予定していたマン島ラリーがキャンセルとなった。公式な理由は明らかにされていないが、安全面や政府に提出する書類上の問題、同島で開催される別の人気イベントの主催者との確執など、様々な理由が可能性として挙がっている。
マン島ラリーは、今季の英国ラリー選手権の一戦となっていたが、シリーズは既に開幕戦が天候上の理由でキャンセルを強いられている。同イベントには、アイルランドターマック選手権、FIAヨーロッパ・ラリートロフィーも懸かっていた。
もっとも深刻な損失は財政面で、地元企業だけでなく、日本など海外からの参加者も含む競技者のほとんどは、手配した予約関連のキャンセルが効かない状況だ。
その他の細かいニュースを。
ベルギー選手権のオンルーブ・バン・バラーンデレンでは、トップ4をクリス・プリンセン、ビンセント・ベルシューレンを筆頭にシュコダ勢が独占した。WRC勢は、酷暑が予想されるトルコ向けに数チームがギリシャでテストを実施。トヨタはポルトガルでテストを行った。