今週開催されるWRCラリーGBでヒュンダイ勢は、これまでまだ果たしたことのない英国戦での勝利に挑む。
前戦トルコでは、ヘイデン・パッドンが今季初めてポディウムに上がる一方、ティエリー・ヌービルとアンドレアス・ミケルセンがトラブルに見舞われ上位フィニッシュを逃し、マニュファクチャラーズ選手権での首位の座から陥落している。それでもポイント差はわずかに5と激戦の展開は続いており、GBでの首位奪回も大きな目標だ。
この大切な一戦に、ヒュンダイ勢は前戦に引き続き、ミケルセン、ヌービル、パッドンの布陣で臨む。3人はウェールズ中部でi20クーペWRCのテストを行った。
トルコでは、テクニカルトラブルに見舞われるまで序盤ラリーをリードしていたミケルセン。滞在経験もある英国は馴染みのある環境だ。
「トルコでは、一時40秒差をつけてリードをしていたのに最終的に悔しい結果となったが、ポジティブな面もあった。すべてのことに、より安心できるようになったし、マシンの中でのフィーリングもよかった」とミケルセン。
「ラリーGBは自分がいつもエンジョイできるイベントなので、このポジティブな要素を活かしたい。自分がキャリアを始めた土地なので、ここに戻ってくるのはいつも楽しみだ。昨年は、ヒュンダイから参戦した2度目のイベントがGBだった。その時は、上位とも争って4位でフィニッシュした。今年も同じような戦いをしたいと思っているし、トルコで見せた強さをまた披露したい」
一方、ドライバーズ選手権では依然として首位を死守しているヌービルだが、その差は13ポイントに詰まってきており、ここから最終戦までは気の抜けない戦いが続く。GB戦はこれまでに2回ポディウムに上がっているが、今回も同様の結果を収めることが求められる。
「ラリーGBはとても楽しめるイベントだし、他のグラベル戦とは性格が違う。ここ数回は雨でウエットのコンディションだったが、今年は会期が少し早まっているので、天気がどうなるのか注目だ」とヌービル。
「いずれにしても、特に2回目の走行はトリッキーなラリーになると思う。早朝にスタートして夜まで走行と、スケジュールもタフなので、体力的にもいつも以上にチャレンジングだ。ウェールズでは2年連続でポディウムに上がっているので、今回もその流れを続けたい。トルコが厳しい結果になり、選手権争いはますます白熱しているよ!」
サバイバル戦となったトルコ戦では、3位フィニッシュと待望のポディウムに上がったパッドン。コ・ドライバーのセブ・マーシャルにとって母国戦のGBでも、勢いに乗りたいところだ。
「トルコでポディウムに上がり、セブの母国戦であるラリーGBも楽しみにしている」とパッドン。
「雨や泥、霧に見舞われることが多く、それが楽しくもあり、厳しくもあるラリーだ。道の性格は自分のスタイルに合っているし、i20クーペWRCとも相性がいいと思う。ここ数年、トップ5に入ったこともあるが、ウェールズで自分のポテンシャルをフルに発揮できたことはこれまでにない。今回はしっかりそれを出して行きたい」