シトロエンは、2019年のワークスドライバーとしてエサペッカ・ラッピが加入することを発表した。既に発表されているセバスチャン・オジエのチームメイトとなる。
ラッピの抜擢に関してシトロエン・レーシングは、若手ドライバーを起用してラリー界のトップドライバーに成長することを支援するのは伝統であり、WRC界で最も期待の持てる若手としてラッピを選んだとしている。
ラッピは、フィンランド出身の27歳。WRCでの経験はまだ少ないが、将来のチャンピオン候補生としての片鱗を見せている。ラッピがWRC戦に初参戦したのは、2012年のラリーフィンランド。この年に、フィンランドの国内戦で全7戦全てで勝利を収めてタイトルを獲得した。2014年にはERCタイトル、2016年にはWRC2タイトルを獲得し、着実にステップを上っていった。トヨタに加入し、WRカーでの初参戦となった2017年ラリーポルトガルでも衝撃的な速さを見せ、次世代フライングフィンとして注目を集めると、同年のラリーフィンランドではわずか4度目のWRカー参戦で、早くも母国優勝を達成した。今年も、サルディニア、ドイツ、GBで3位に食い込み、路面を問わずに高いパフォーマンスを披露している。
シトロエン・レーシングのチーム代表、ピエール・ビュダールは「来年は、非常にコンペティティブな2クルーと契約することを目指してきたので、エサペッカの加入は本当に素晴らしいニュースだ!」とコメント。
「若手を起用することはシトロエンのDNAに長年に渡って強く結びついているもので、エサペッカはまさに理想的。才能があり、意志が強く、集中力があり、セバスチャンのチームメイトとしても相性がいいと思う。彼にはまだまだ大きな伸び代があると感じているので、彼がステップアップするためにできる最善のことを尽くしていく」
一方、5連覇王者と同じチームに入ることを決断したラッピは「このチームに加入し、セバスチャンのチームメイトになることを心から喜んでいる」とコメント。
「自分が成長を続けていくための、絶好のチャンスだと思う。昨年はヤリ‐マティ・ラトバラから、今年はオィット・タナックからたくさんのことを学んだ。そしてこれからは、セブから刺激を受けて、これまでの経験を糧にさらに成長していけると思う。マシンにもチームにも、大きなポテンシャルがあると思うし、WRCでの長い歴史と経験がある。ピエールが自分を起用したいという気持ちを明白に伝えてくれていたのも、自分が決断した理由でもある。素晴らしいチャレンジになると思う。ともに優勝を目指してがんばりたい」