©Toyota Gazoo Racing WRC
WRC第12戦スペインは、10月26日金曜日に競技2日目となるSS2〜SS7の6SS・144.88kmの走行が行われ、トヨタのオィット・タナックが首位に立った。地元スペインでの初優勝を目指すヒュンダイのダニ・ソルドが2番手、Mスポーツ・フォードのエルフィン・エバンスが3番手に続いている。
シーズン唯一のミックス路面イベントとなる今大会。この日はまず拠点のサロウ西部の丘陵地帯に広がるグラベル路面に合計144.84kmのステージが設定された。シーズンも残り2戦となり、タイトル争いも佳境。前戦ウェールズが悔しい結果に終わっているタナックにとって、初の戴冠のためにはこのスペインでの優勝が絶対条件となってくるが、そのプレッシャーを勢いに変えてみせた。
タナックは、コスタ・ドラダのスリッパリーなグラベルステージを絶妙に攻略。この日の6本のうちトップ3タイムを逃したのは1本だけと安定したペースで順調にリードを広げ、この日を終えた時点でソルドに対し、26.8秒の差をつけた。
「まだ何も終わっていない」とタナック。
「トリッキーな一日だった。午後の序盤はマシンはすごくよかったが、その後、手こずり始めた。なぜなのかは分からない。道の上にとどまるために、できることを全部やった。精いっぱいだったよ」
残る2日間は、通常ならタイム差のつきにくいスムースな舗装路。選手権屈指の高速ターマックに向けて、まずは絶好のポジションにつけた。
5月以来となるグラベルステージでの走行に臨んだソルドは、ステージウインを1本獲得して地元ファンを沸かせ、最終ステージでエバンスをかわして2番手に浮上した。エバンスとの差は、わずか2.9秒。そして4番手には、9連覇王者のセバスチャン・ローブがさらに0.5秒差で迫っている。今季これがプログラム最後の参戦となるローブは、アンダーステアに苦しめられたが、トラブルを解消した後は、9番手から一気に追い上げ貫録を見せつけた。
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Red bull
この日、タナックの速さを最も脅かしたのは、チームメイトのヤリ‐マティ・ラトバラだった。午前中は、タナックに6.1秒差まで迫ってイベント最長の38.85kmステージを迎えたが、ここでパンクを喫し50秒近くをロス。このステージは10番手に終わった。それでも、この日最後の2本でベストタイムを叩き出し、5番手で折り返した。アンドレアス・ミケルセンが1.5秒差、さらに0.5秒差でオジエが続いた。
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シトロエンのクレイグ・ブリーンは、5番手でこの日の最終ステージを迎えたが、派手なスピンを喫しリヤウィングを大きく破損。8番手に順位を落としている。
選手権リーダーのヌービルは、スリッパリーなグラベルを先頭走行でスタート。砂利掃きを負わなくてはならない上に、オーバーシュートも喫し、タナックに1分近くの差がついてしまった。エサペッカ・ラッピは、午前中にスライドオフ、その後スピンもあり、トップ10圏内にギリギリ食い込んだ。
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最終サービスは、制限時間が75分に延長され、メカニック陣はこの時間内にマシンをグラベルからターマック仕様へと変更した。ここからの2日間は、ステージはオールターマック路面となる。明日は、3SSを2ループした後、サロウのプロムナードを走る2.24kmのショートステージが設定される。SS8〜14の総走行距離は121.90kmとなる。
WRCスペイン SS7終了時点結果
1. オィット・タナック／マルティン・ヤルベオヤ トヨタ・ヤリスWRC 1:34:27.4
2. ダニ・ソルド／カルロス・デル・バリオ ヒュンダイi20クーペWRC +26.8
3. エルフィン・エバンス／ダニエル・バリット フォード・フィエスタWRC +29.7
4.セバスチャン・ローブ／ダニエル・エレナ シトロエンC3 R5 +30.2
5.ヤリ‐マティ・ラトバラ／ミーカ・アンティラ トヨタ・ヤリスWRC +37.6
6. アンドレアス・ミケルセン／アンデルス・ヤーゲル ヒュンダイi20クーペWRC +39.1
7. セバスチャン・オジエ／ジュリアン・イングラシア フォード・フィエスタWRC +39.4
8. クレイグ・ブリーン／スコット・マーティン シトロエンC3 WRC +44.7
9. ティエリー・ヌービル／ニコラ・ジルスール ヒュンダイi20クーペWRC +59.7
10.エサペッカ・ラッピ／ヤンネ・フェルム トヨタ・ヤリスWRC +1:07.4
