ラリースペイン、フィニッシュ後の各ドライバーからのコメント。選手権争いでは大波乱の展開となったラリーの末に、再び選手権首位に立って最終戦を迎えるセバスチャン・オジエ。シリーズ屈指のグラベル戦初日は先頭走行役を背負うことになるが、それでもポイントで上回っている方を選ぶ、と決戦に向けての決意を見せた。
(カッコ内は順位の前日比)
[シトロエン・トタル・アブダビWRT]
シトロエンC3 WRC
■セバスチャン・ローブ/総合優勝(↑)
「手の尽くしようがなく、苦い結末に向かって進んでいた。最終ステージで、画面上で自分が勝ったと表示されているのを見た時は、まさに信じられない気分だったよ! 久しぶりの参戦でペースをつかむことができて、本当によかった。自分が離れていた間、みんなはがんばってきていて、今回も1mmも気を抜かずにハードにプッシュしていたからね。金曜日のグラベルでは感覚を取り戻すのに必死だったし、昨日のウエットのターマックでもそうだった。今日の午前はタイヤの選択が当たり、速さがつかめた。最後から2本目ではマイナーミスもあったが、そのまま勢いを維持できた。おそらく自分の中でも最高に素晴らしい勝利と言いたいくらい。チームのためにも、これほど満足の行くリザルトを決めることができて、うれしいよ」
■クレイグ・ブリーン/総合9位(=)
「自分たちには厳しい週末になった。特にグラベルなどでは素晴らしく速かった時もあったが、スピンでかなりタイムをロスした。今日は、目指すものはなかったので、走りを楽しんだ。オーストラリアでは、最高の結末を心に抱いて臨むよ」
■カリッド・アルカシミ/総合21位(↓)
「不安定な天気だったので、簡単なラリーではなかった。グラベル、ターマックと徐々に成長できたが、昨日のウエットの道は余裕が持てなかった。でも、今日はもっと自信を持って臨むことができた」
[Mスポーツ・フォードWRT]
フォード・フィエスタWRC
■セバスチャン・オジエ/総合2位(=)
「ドラマの連続となったが、いい気分で終わることができた。走行順が2番手で滑り出しは難しくなると分かっていたし、ウエットのコンディションも本当にチャレンジングだった。でも絶対にあきらめず全てを尽くした。こんなに僅差で勝利を逃せば少しは悔しいが、精いっぱいやったし、選手権ではまた首位に立てたのでポジティブな週末になった。オーストラリアでは先頭スタートになるので厳しくなるが、自分がポイントで上回っている方がいい。タフなラリーになるし、タイトルを守りたければ全力で挑むしかない」
■エルフィン・エバンス/総合3位(↑)
「今回は好リザルトを目指し、それが果たせた。ここ数戦で速さが上がってきているが、様々な理由で結果を残せなかった。ようやく自分の速さが報われたし、スペインの両方の路面でペースが出せたのでよかった」
■テーム・スニネン/総合11位(=)
「厳しい週末だったが、このコンディションでのマシンの操り方について多くのことを学んだ。特にウエットのターマックは、WRカーで経験したことがなかった。タイムは良くなっていったのでよかった。ドライでは自分たちのタイムはまずまずのレベルだと思うが、ドライビングテクニックでまだ成長しなくてはならない部分も多いと思う」
[ヒュンダイ・モータースポーツ]
ヒュンダイi20クーペ WRC
■ティエリー・ヌービル/総合4位(↑)
「信じられないような激しいラリーだった。選手権全体の高い競技性を凝縮していた。今日、ポディウムを狙うチャンスがなく、パワーステージでポイントを獲得するチャンスも消えてしまったのはもちろん残念だ。アンラッキーだった。道に石があり、避けることができず右リヤタイヤのリムを破損してしまった。今日はフォード勢との戦いを楽しみにしていたが、それができなかった。オーストラリアに向けて、タイトル争いはドライバーズもマニュファクチャラーズも、いろいろな可能性を残している。WRCが大いに注目されるね! 昨年のオーストラリアでは、走行順2番手でラリーを勝っているので、まだどんな可能性も残っている」
■ダニ・ソルド/総合5位(↑)
「今回の内容にもリザルトにも心からは満足できないが、同時にそれほど残念にも思っていない。タイヤチョイスが当たらずにラリーを通してタイムをロスしてしまったが、戦略の面では先を読むのは簡単ではなかった。自分はベストを尽くしたしコンペティティブなタイムも出したので、そう悪くはない。最後まで戦いに加わっていたし、ファンのみんなにとっては間違いなくエキサイティングなラリーだった。いつものように母国でのラリーに参戦できたことはうれしかったし、観戦に集まってくれたスペクテイターたちにはエンターテイメントを見せることができたと思う」
■アンドレアス・ミケルセン/総合10位(=)
「今回も期待していたようなリザルトを出すことができなかったが、最大限の努力を尽くした。なぜフィーリングやペースがつかめなかったのか、説明がつかない。今日の最終ステージはコンディションがドライになったので、テストでうまくいっていたセッティングを試した。それでも完璧ではなかったので、足りていないものを解放するために取り組み続けるしかない。天気が変わりやすくタフなラリーだったし、グラベルと、ターマックと路面が両方あったので、全てが単純にはいかなかった。前を向いて最終戦に向けて努力を続けなくてはならない。そして、チームとティエリーを支えるために、ベストを尽くす」
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
トヨタ・ヤリスWRC
■オィット・タナック/総合6位(↑)
「今日はドライビングがとても楽しめた。昨日はコンディションがトリッキーだったが、今日は楽しみにしていたカタルニアらしいターマック路だった。パワーステージでは、失うものは何もなかった。フィニッシュする必要はあったが、計算上で選手権争いに望みを残すチャンスはパワーステージしかなかったので必死でプッシュした。全力を尽くしたし、決してあきらめない。マニュファクチャラーズ選手権では、まだ絶好の位置につけているしね」
■エサペッカ・ラッピ/総合7位(=)
「タフな週末だったが、初めてこのラリーをフィニッシュできてよかったし、それが何より大切。この週末は、たくさんのことを学んだと思う。今日は総合順位では争うものはあまりなかったので、マシンをフィニッシュまで持ち帰り、マニュファクチャラーズ選手権のポイントを獲得することだけが求められた。その意味では、順調に進んだよ」
■ヤリ‐マティ・ラトバラ/総合8位(↓)
「午前中は、タイヤもセットアップもソフトすぎたが、2本目はかなりよくなったし優勝争いにもまだ絡んでいた。マシンのフィーリングはとてもよかったし、全てが順調だった。残念ながら、あるコーナーで早く曲げ過ぎてピラーをバリアに接触させてしまった。すぐにタイヤにダメージが及んでしまったので、ステージの後半はパンクしたまま走らなくてはならなくなった。自分のミスを本当に申し訳なく思う。でも、コンマ秒差で戦っていれば起こり得ることでもある。リザルトは願っていたようなものではなかったが、今回のパフォーマンスにはとても満足しているし、オーストラリアを心から楽しみにしている」