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WRC スペイン:ローブ「あのタイヤチョイスは経験の賜」イベント後記者会見

©Citroen

WRCスペインのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。6年のブレイクを経て、今季3度目の参戦となったミックス路面イベントで衝撃の勝利を飾った9連覇王者のセバスチャン・ローブ。決め手となった最終日朝のタイヤ選択が豊富な経験に基づく判断だったと自負した。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者

Red Bull

1位:セバスチャン・ローブ=SL(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
1位:ダニエル・エレナ=DE(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
2位:セバスチャン・オジエ=SO(Mスポーツ・フォードWRT)
2位:ジュリアン・イングラシア=JI(Mスポーツ・フォードWRT)
3位:エルフィン・エバンス=EE(Mスポーツ・フォードWRTT)
3位:ダニエル・バリット=DB(Mスポーツ・フォードWRT)
ピエール・ビュダール=PB(シトロエン・トタル・アブダビWRTチーム代表)

Q:セブ、君がWRCポディウムの頂点に戻ってくる日がやってくるのか、疑問に思っていたが、いま君はここにいる! 今の気分は。
SL:信じられないほどいい気分だ。特に、今回はスプリットを把握することができず、セブ(オジエ)と戦っていたからね。やっとフィニッシュしても、自分が勝ったのか勝てなかったのか、分からなかった。それでプレッシャーに襲われたが、自分が勝ったことを知った。6年経った今、アメージングな気分だよ。

Q:今日の朝のタイヤチョイスについて、自分の経験はどれくらい役立ったか。
SL:かなり経験によるところが大きい。ミックスコンディションでのタイヤチョイスは、いつも厄介だ。自分たちは、DS3時代に同じタイヤ、同じようなコンディションの時のコメントを調べた。難しい選択だと分かっていたし、もし道が少し湿っているようなら、暑くなればうまくいく。雨が降らなければ、いい選択だと確信していた。雨は降らないという情報は入っていたが、昨日も雨は降らないという話だったのに、降ったからね! だから降らないという情報を信じていいのか、確信を持てなかった。他のドライバーがハードを選べば、ソフトの自分は負けるだろうと想像していた。でも、勝ったよ。

Q:限界まで攻めていたか。
SL:今日は問題なかった。限界まで攻めていたが、マシンのフィーリングもよかった。ステージでは、ドライの時は手応えがあった。昨日は、フィーリングもリズムもつかむのが格段に難しかった。今日はスタート前、モチベーションが高まっていたし、勝利のためにプッシュしたいと思った。

Q:フィニッシュでは感極まっていたね。
SL:もちろんだ。久しぶりの勝利だったし、世界ラリークロスでもあまり勝っていないからね! 連続で9勝したのはよかったが、今回のは間が6年、空いているからね。

Q:今回のリザルトは、来年フィーリングを取り戻すためのモチベーションになるか。
SL:かもしれないね。今回、楽しめたのはもちろんだ。また戦って、ラリーを勝てたのは、本当にいい気分。どんな修業よりもいい手応えを感じられるが、一方で、だからWRCから引退したということでもある。ラリーに専念し、たくさん時間を取られるし没頭することになる。今は、そういう活動をしたいとは思わないし、何戦か出るというのもヤヤコシイ話だ。今回は、セブに2秒差をつけて素晴らしいリザルトを収めた。今後のことを考えるのは、時期尚早かな。

Q:ダニエル、この結果は想像していたか。
DE:ん〜、そうだね、素晴らしい優勝だ。想像できていたかって? してもいいじゃないか。グラベルのメキシコのタイムは悪くなかったし、コルシカもそうだった。そして、ここは高速のグラベルとターマック。パンクしちゃいけない、地元のグルメを食べるのをやめちゃいけないことを理解しないと。そうすれば、結果はついてくる!

Q:プレッシャーは感じていたか。
DE:プレッシャーはいつも感じているが、今日スピンをした後は、簡単にはいかなかった。もっとプッシュして、もっとリスクを負わなくてはならなかった。でも楽しかったよ。

Q:君も感極まった?
DE:そうだね。すごく感情が高まった。でも、ルーフの方が気になったよ。自分の体重で、ベコベコだ!

Q:セバスチャン(オジエ)、すごいラリーだった。選手権首位に返り咲いてオーストラリアを迎える。ハッピーか。
SO:いい気分だ。ドラマの多い週末だった。頻繁にあることだけどね。ここを走行順2番手でスタートするのが難しいことは分かっていた。砂利掃きの負担が大きいし、予想通り苦戦した。でも雨が降り、ターマックでたくさんのことが起きた。オットはいつものように異次元の走りをしていたが、何か、不運に見舞われた。何が起きたかは、自分はまだ見ていないのだが。自分たちは、まだポディウムを争っていて、絶対にあきらめなかった。最終的にわずかな差で優勝は逃したが、それでも22ポイント獲得した。そして、質問の答えは、ハッピーだ。首位に立ってオーストラリアを迎えることができて、うれしいよ。タフになると思うし、トラブルは自分にも、誰にでも起こり得る。タフな最終戦になるが、今回はできること全てをやったし、セブとダニエルのことは心から称賛できる。本当に見事だった。彼らが勝ったとしても驚かないとは言っていたけれどね。おめでとう!

Q:ルーフの上で、一緒に祝福していたが。
SO:あの時は、何というか自然にそうなった。お互いに尊敬し合っているし、ビッグファイトをしてお互いに楽しんだ。あの時は、自然に彼らを祝福したいと思ったし、楽しい瞬間だったよ。

Q:午前は激しい戦いだったが、ハードタイヤを選ぶ可能性はどれくらい考えていたか。
SO:実は、1秒も気にしなかった。今回、僕らは情報の活用の仕方が完全に間違っていた。最後のループ以外は、毎回選んだタイヤが外れた。純粋な速さとタイヤが合っていればもっといい走りができた。それでもリザルトはよかった。今日の朝、ハードタイヤを使うなんて全く考えなかったよ。

Q:ティエリーとは3ポイント差しかない。次のラリーまでに、何か特別なことはするのか。
SO:しないね。ただこのことを絶ち切って家族との時間を過ごす。次のラリーのためには、それが最善のリラックス方法だ。

Q:ジュリアン、選手権首位に返り咲いてうれしいのでは。
JI:自分たちがどう感じているか、セブが言ってくれたと思う。オーストラリアがタフになることは分かっているが、マシンには満足しているし自分たちが出せるペースも分かっている。前戦もいい内容になっているし、自信は高まっているが、もちろん、がんばらないといけないことも分かっている。

Q:個人的には、ダノス(エレナ)が戻ってきたのは、うれしいか。
JI:2人が戻ってきてくれたのは、とてもうれしい。お互いに会ったのは久しぶりだ。でも、彼は今ではいつもタバコを吸っていて、何にも運動をしていないのに僕らと張り合えたんだから、すごいよ!

Q:エルフィン、素晴らしいペースだった。何がパフォーマンスを変えたのか。
EE:大して変わってはいない。いろいろな理由で物事がうまくいっていなかったが、自分たちに速さがあるのは垣間見れていた。それをリザルトにつなげられないことが多いんだ。激戦に戻ることができてホッとしているし、ここでポディウムに上がれて最高だよ。

Q:昨日の午前はローブを押さえ切ったが、午後は勢いを失ったようだ。
EE:違うタイヤ戦略をとった。スリックがうまく行った時もあったが、ウエットの方がよかった時もあった。最終的に、大きな違いはなかった。週末を通していろいろな選択があったが、最終的に常に完璧だった人は誰もいなかったと思う。でも、おかげでエキサイティングになったし、結果的にはよかった。

Q:最終ステージに向かう気分はどうだったか。
EE:日中サービスに向かう時、自分は少しヘコんでいた。2本目でタイムをロスして、それがなぜなのかが全く分からなかった。まずまずの走りができたと思っていたのに、ヒュンダイ勢に大差をつけられた。最初のステージと同じような感じに戻して、いい走りができるようになりフィーリングも上がった。

Q:来年につながるか。
EE:向こうに座っている人(マルコム・ウィルソン)に聞いてみて。

Q:ダン、ペースには満足か。
DB:そうだね、すごく。今回、ここに5連覇王者と9連覇王者が並んでいるし、週末はかなり接戦になった。ポディウムに上がれて、本当にハッピーだ。

Red Bull

Q:戦いが激しくなったことで、自分の気合いも高まったか。
DB:そうだね、自然と前に進み続けた感じだ。2人とも、少しでも速くフィニッシュしようと、いつも以上に貪欲になっていたと思うが、結果的にそれがうまくいった。

Q:ピエール、最後の瞬間はどんな気分だったか。ナーバスだった?
PB:ストレスが溜まったよ。フィニッシュラインを超えるまでは、終わりではない。最後のコーナーを見た時は、本当にうれしかった。チームはみんな、このリザルトを待ちわびていた。1年、勝利がなかったので、勝ててよかった。セブ(オジエ)には、こんな展開の時に申し訳なかったが。でも、来年は君(オジエ)がいつもここにいて欲しいね!

Q:今朝のセブのタイヤチョイスには、驚かされたか。
SL:反応するヒマもなかったよ。10秒後にはサービスを出ていたからね!
PB:あの時は、いい判断だったと確信していた。ソフトで行こうと決めた時は、セブはあまり納得していなかったことが見て取れたし、彼が気持ちを変えた時は自分もハッピーだった。

Q:来年のサードカーについてのニュースは。
PB:今晩はニュースはないよ。もう少し待たないと。

Q:オーストラリアの前には聞けそうか。
PB:たぶん、前ではない。パートナーのいくつかと交渉中だからね。プランを決める権限を全て持っているわけではない。自分たちも待っているので、みんなにも待ってもらうしかない。

Q:今晩はセブと来年のことについて話すのか? エスプレッソでも飲みながら?
PB:エスプレッソ? たぶん飲まないね、今晩ではない。何かを飲むとしても、相談は今晩はしない。その前にやることが山積みだ。来年どうなるかは分からない。まずは、サードカーが確定しないと。マシンがなければ、ドライバーも持てない。



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