6月15日のワールドモータースポーツカウンシルで確定を目指していた2013年のWRCカレンダー。しかし、カレンダー登録に向けてFIAが提示した、計測・セーフティ機器などの費用8万ポンドを上乗せする条項が盛り込まれた契約書に同意・署名した主催者は、締め切りを過ぎた時点でゼロであることを、英国オートスポーツ誌が伝えた。
2013年にWRCイベントの開催を目指す各主催者に宛てて、FIAが5月28日に送った5ページの契約書。FIAは、6月8日までの期限に同意・署名、これを怠った場合は2013年のカレンダーから外れることになるとしていたが、期限までに返送した主催者はいなかった。これで6月15日のカレンダー確定は、事実上不可能となった。
2013年のWRC開催を目指すあるラリー主催者の関係者は「この契約に関して、とにかく話し合いがしたいんだ。我々よりもいい状況にあるイベントも中にはあるが、それでもこの件についてはディスカッションが必要だと感じている」
この関係者は、FIAスタッフの上層部(WRCコミッション総裁のヤルモ・マホネン、WRCマネージャーのミシェル・ムートンと思われる)が各主催者と連絡を取り、署名をするように説得していると明かす。この件に関しては、フランスのASNであるFFSAがFIAに対し、話し合いを求める書簡を出している。
「我々は話し合いがしたいんだ。(FFSAが出した)FIA宛ての書簡にあるように、この件について話し合う時間がまったくなかったんだから」と前出の関係者。一方、契約書返送期限の8日を過ぎてからも、FIA側からは一切コメントは出されてはいない。
この一件については、6月15日のワールドモータースポーツカウンシルで議題に上がることが濃厚となってきた。