2019年シーズンのWRC開幕戦ラリーモンテカルロは、競技3日目のSS12までを終えて、シトロエンのセバスチャン・オジエが首位を死守。ヒュンダイのティエリー・ヌービルに対するアドバンテージをわずかに広げたが、それでも最終日を前にその差は5秒以下という接戦が続いている。
シトロエンC3 WRCでの初戦で、モンテカルロ6連勝を狙うオジエは、最終日を前に4.3秒差でリードを堅持。日曜日に設定されているのは4SS・64kmほどと、今季のWRCも開幕戦からスリリングな展開となっている。
この日に設定されたのは、ギャップの北部を走るSS9〜SS12の4本。29.82kmと16.87kmの2本を2ループするレイアウトだ。ヌービルと2秒差でこの日を迎えたチャンピオンのオジエは、最初のステージでリードを5.6秒に広げる。しかし、続く2本ではヌービルが応戦してタイムを取り戻すが、この日最後のステージでは、再びオジエがヌービルを上まわるタイムをマークした。
「大差をつけたよ。今朝の段階から、倍に広がったんだから!」とオジエは冗談めかしてコメント。
「明日は、コンディションは楽になると予想しているので、最後まで張り詰めた戦いになる。ティエリーはあきらめない。僕らはどちらもフィニッシュラインを越えたいが、どちらも勝ちたいと思っている」
対するヌービルは、アイス、スノー、ドライと幅広いコンディションのターマック路面でギャップ出身のオジエを相手にするのは大変な課題であることを、よく理解している。
「安全策を維持した。ここは、オジエにとって地元。彼はステージをよく知っているから、自分は慎重にいかなくては」とヌービル。
ヒュンダイのセバスチャン・ローブ、トヨタのヤリ‐マティ・ラトバラは、上位ふたりから2分ほどの遅れで3位を巡って攻防を展開している。この日は3番手が3回入れ替わり、i20クーペWRCでの初実戦に臨んでいるローブが2.3秒先行してこの日を終えた。
ヒュンダイのアンドレアス・ミケルセンは、3番手でこの日をスタートしたが、最初のSSの最後のコーナーでウォールに激しくヒット。この衝撃でi20クーペWRCの左リヤが破損し、リタイアとなった。
一方、昨日タイヤのリムを破損したトヨタのオィット・タナックは、この日猛追。午後は、大胆なタイヤチョイスに打って出るなどこの日の4SSをすべてベストタイムで揃え、5番手にまで挽回してきた。ローブとラトバラの3番手争いまで、15秒差に迫っている。
トヨタのクリス・ミークは、さらに3分遅れての単独6番手。ヤリスWRCでの初実戦に挑んでいるミークは、この日2番手タイムを3本マークした。
その後には、フォードのガス・グリーンスミス、シトロエンのヨアン・ボナートと、今季から創設されたR5のワークスチームが戦うWRC2プロ勢が続いている。
フォードのエルフィン・エバンスは、6番手走行中に深いバンクに飛び落ちてリタイヤ。シトロエンのエサペッカ・ラッピは、この日最初のステージの中盤でストップ。エンジントラブルと見られている。ラリーモンテカルロの規定により、この日リタイアした場合は、最終日には再スタートすることが認められない。
競技最終日は、モンテカルロ伝統のステージが並ぶ。モナコを眺めるアルプ・マリティーム山脈にあるチュリニ峠を越える2本を2ループで、4本の合計は63.98km。最終ステージはパワーステージとなり、SSタイムのトップ5名にボーナスポイントが与えられる。
SS13は1月27日(日)8時20分(日本時間午後4時20分)スタート。
WRCモンテカルロ SS12後暫定結果
1. S.オジエ(シトロエンC3 WRC) 2:38:30.0
2. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +4.3
3. S.ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:58.7
4. J-M.ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) +2:01.0
5. O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC) +2:16.0
6. K.ミーク(トヨタ・ヤリスWRC) +5:26.8
7. G.グリーンスミス(フォード・フィエスタR5) +10:12.0
8. Y.ボナート(シトロエンC3 R5) +11:43.4
9. S.サラザン(ヒュンダイi20 R5) +12:16.0
10. G.ド・メビウス(シトロエンC3 R5) +13:07.0
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13.勝田貴元(フォード・フィエスタR5) +17:03.3
14.T.スニネン(フォード・フィエスタWRC) +17:13.6