2019年のWRC開幕戦モンテカルロはすべてのSSを終了し、シトロエンのセバスチャン・オジエがシーズン開幕戦を制して幸先のよいスタートを切った。2位は2.2秒差でヒュンダイのティエリー・ヌービル、3位はトヨタのオィット・タナックとなった。以下、4位にヒュンダイのセバスチャン・ローブ、5位はトヨタのヤリ‐マティ・ラトバラ、6位に同じくトヨタのクリス・ミークという順位となっている。
競技最終日に行われたのは、SS13〜16の計4SS。ふたつのステージを2度ずつ走行する63.98kmが、勝敗を決する舞台となる。競技3日目までを終えた段階で、総合首位のオジエと2番手ヌービルの差はわずかに4.3秒。一瞬のミスが命取りになる緊張感の高いバトルに注目が集まった。
オープニングのSS13、ベストタイムをマークしたのはタナック。SS2番手のヌービルはSS3番手のオジエを1秒上まわり、その差を3.3秒に詰めることに成功した。続くSS14ではタナックが連続ベスト。競技3日目から続く6連続ベストで一気に総合3番手に浮上してみせた。ヌービルはSS2番手タイムをマーク、オジエとの差はわずかに縮まり3.2秒となった。
そしてSS15、ここでヌービルが渾身のベストタイムをマーク。SS2番手のオジエを2.8秒引き離し、総合でのタイム差はなんと0.4秒にまで短縮された。残すは最終パワーステージ13.58kmのみ。リバースオーダーで次々とドライバーがスタートするなか、総合3番手のタナックは危なげなく走り切ってひと足先に表彰台を確定させた。スペクテイターや関係者が固唾を飲んで見守るなか、ヌービルがコースイン。暫定SS2番手タイムをマークし、オジエのフィニッシュを待つ。そして上位陣最終走者のオジエはフルアタックでヌービルのタイムを1.8秒上まわってみせ、最終的に2.2秒差で勝利を獲得した。
これでオジエは2014年以来のモンテカルロ6連勝。プジョー207で勝利した2009年のインターコンチネンタル・ラリーチャレンジを含めればモンテカルロ通算7勝とした。オジエ自身の勝利としては45勝目となる。また、2位のヌービルにとってはこれがモンテカルロ最上位。スピードは見せながらも結果につながらなかったモンテでの好成績は、今後のシーズンに追い風となりそうだ。最終パワーステージはトヨタのミークがトップタイム。ボーナス5ポイントを持ち帰った。
第2戦は2月14日〜17日にかけて開催されるスウェーデン。シーズン唯一のフルスノーラリーであり、同時にハイスピードラリーでもある。2017年に初勝利を挙げたトヨタ、2018年のWRC2で勝利を挙げた勝田貴元がそれぞれどのような走りを見せるか注目だ。
WRCモンテカルロ 暫定結果
1. S.オジエ(シトロエンC3 WRC) 3:21:15.9
2. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +2.2
3. O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC) +2:15.2
4. S.ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC) +2:28.2
5. J-M.ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) +2:29.9
6. K.ミーク(トヨタ・ヤリスWRC) +5:36.2
7. G.グリーンスミス(フォード・フィエスタR5) +13:04.6
8. Y.ボナート(シトロエンC3 R5) +13:56.5
9. S.サラザン(ヒュンダイi20 R5) +14:06.8
10. A.フルモー(フォード・フィエスタR5) +16:03.4
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11.T.スニネン(フォード・フィエスタWRC) +17:56.8
13.勝田貴元(フォード・フィエスタR5) +19:57.9