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WRCスウェーデン:タナック「パワーステージはリスクは負わなかった」イベント後記者会見

©Toyota Gazoo Racing WRC

WRCスウェーデンのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。大差をつけて臨んだパワーステージ、セカンドベストのティエリー・ヌービルに3.5秒差をつける激走でボーナス5ポイントまで獲得してスウェーデン初優勝を決めたオィット・タナック。この最終ステージも、自分の走りに徹していたことを明かした。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者

Hyundai Motorsport GmbH


1位:オィット・タナック=OT(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
1位:マルティン・ヤルベオヤ=MJ(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
2位:エサペッカ・ラッピ=EP(シトロエン・トタルWRT)
2位:ヤンネ・フェルム=JF(シトロエン・トタルWRT)
3位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
3位:ニコラ・ジルスール=NG(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
トミ・マキネン=TM(トヨタ・ガズーレーシングWRTチーム代表)

Q:オィット・タナック、WRC7勝目、スウェーデンは初優勝! これで、選手権でも首位に立った。満足のいく週末になったか。
OT:正直、順調な滑り出しだった。一番よかったループは金曜日の午前で、コンディションが最高によくて走るのが本当に楽しかった。2ループ目はこのラリーで一番厳しい部分だったから、ロスすると分かっていた。でも、特にドラマもミスもなく凌ぎ切って、まずまずのループになった。土曜日からはベストを尽くし、最低限のリスクで勝つことを目指した。マシンもリズム良く動いてくれた。戦う相手がなく少し退屈にすら、なっていたこともあったかもしれない。マシンは全て順調に動いてくれたので、このコンディションで走るのが本当に楽しかった。

Q:パワーステージでは、どれくらいリスクを負ったのか。
OT:リスクは特に負わなかった。いい走りをしようと努めた。ほぼ完璧なステージになって、いいラインが取れたしリズムもよかった。どうしてそうなったかは分からないが、走行順がよかったのだと思う。ベストを尽くしたからこの結果はうれしいよ。

Q:限界まで攻めていたか。
OT:全開までプッシュしていたとは思わない、たぶんパワーステージでは限界の近くまでという感じ。いい走りをしようとはしていたが、それが結局は限界だったのかもしれない。通常は、コンマ秒ギリギリまで戦わなくてはならないが、今回の自分たちは一番いい状況にあった。土曜日はすごくトリッキーなコンディションだったし、その状況ではプッシュしようとは思わない。たぶん、それが一番速く走る方法だと思うから。もしバトルをしていれば、常に限界まで攻めたいと思うだろうね。

Q:マルティン・ヤルベオヤ、ペースノートに3、1、5という数字があるのを見たが、何の数字だったのか。
MJ:獲得しなくてはならないポイントの目標だよ。自分の父のために、とても重要な数字なんだ。自分を応援してくれているから、自分も父を応援する。

Toyota Gazoo Racing WRC


Q:今の気分は。
MJ:とてもいい週末になった。ヤリ‐マティ(ラトバラ)は、2017年に、このマシンがスウェーデンの凍った道ですごくいい走りをすることを披露していた。去年は優勝争いできるチャンスはなかったが、今年はとてもよかった。全て完璧だった。

Q:エサペッカ・ラッピ、激しい2位争いだったが、スウェーデンで5度目、シトロエンで初めてのWRCポディウムを獲得した。金曜日の中盤を思えば、見事な追い上げだった。
EP:そうだね、このポディウムには満足するべきだ。少なくとも自分の場合はね。金曜日と日曜日は、かなり状況が変わった。金曜日から日曜日は、メガネをかけて、外したくらい! ものすごくアンラッキーの時もあれば、たぶん今はすごくラッキー(金曜日の一件以来)、これでトントンだね。

Citroen


Q:かなり危ない場面だった。そのことを話してくれないか。
EP:滑り出したら、あとは乗っているだけ。それで感じるんだ。「ああ、これで終わった」。何が起きているかは分からない、とにかく待つしかない。マシンが止まったらギアを1速に入れて、また走り始めた。全て、動いていた。ヤンネは「何かが壊れたに違いない」と言ったが、何も壊れていなかったから、そのまま走り続けた。

Q:それで自信を失ったりはしなかったか。
EP:それはなかったと思う。少し苦戦はしたし、フロントのスプリッターがなくなったので、フロントのエアロは完璧には動いていなかった。5速や6速に入れるとマシンのフロントがすごく上がり始めたのは、興味深かったよ。右コーナーではかなり手こずったので、あまり楽しくはなかった。あの場面の前はマシンのフィーリングはとてもよく、1ループ目よりも轍を走る方が動きがよかった。

Q:最終日の午前は限界まで攻めていたか。
EP:そうだね、ここでもあそこでも。もちろん、もっとハードにプッシュすることもできたが、そうするとミスをし始める。この状況では、あのペースは完璧だったと思う。フィニッシュにたどり着きたかったからね。2位争いをしたかったし、それができたからハッピーだよ。

Q:ヤンネ・フェルム、シトロエンでの初ポディウムはうれしいか。
JF:もちろん。この部屋(記者会見場)にいるということは、いい仕事をしたということだからね。チームのためにも、うれしいよ。エサペッカはいい走りをしたし、唯一のドラマは金曜日、ほんの小さなね。自分は、大げさに反応してしまっていたよ!

Q:今日のバトルは楽しめたか。
JF:ヒュンダイ勢とエルフィン(エバンス)が僅差で迫っていて、いいバトルになったよ。自分が思い出せる中では、最高の日曜日だったのではないかな。昨年のスウェーデンも日曜日は同じような形になったが、その時は追いかける立場だった。今回は順位を守る立場だったね。

Q:ティエリー・ヌービル、今回は3位で、次戦のメキシコでは走行順がよくなる。
TN:とてもポジティブなところに目をつけてくれたね。自分たちには難しい週末になった。土曜日の午後は、マシンを走らせるのにかなり苦戦して、今日はトリッキーだった。全開までプッシュできなかったのに、小さなミスがたくさんあった。ラッピに追いつくのは難しいと感じていたが、最終的にアンドレアスには追いついたし、今回ポディウムに上がったのはとても重要なことだ。次戦を楽しみにしているよ。

Hyundai Motorsport GmbH


Q:土曜日の360度も含め、ヒヤリとする場面が何度かあった。
TN:前にも言ったと思うけど、自分のスピンは才能だよ。エサペッカのはラッキーだったが、それでも彼には10点をあげる。カッコよかったからね!
EP:彼が自分に言ったのは、バンクとの距離をキープする才能があるってことだよ!
TN:金曜日はマシンのフィーリングはよかった。そこから少し苦戦していた。ポディウムでフィニッシュしなくてはならないことは分かっていたし、パワーステージで5ポイント獲得するのは難しいとも分かっていた。オィットとトヨタが相手では、難しいと。この3位には満足しているが、もちろんもっと上に行きたいといつでも思っている。

Q:メキシコについては。
TN:走行順が1番手には難しい。オィットが一番大変になるが、自分や、その後ろのセブ(オジエ)でも、楽はさせてもらえない。でも、ターゲットはポイントを獲ること。後続の速い選手の方が有利になるが、ダニ・ソルドも出てくるので、チームにとっていい週末にしたい。

Q:ニコラ・ジルスール、厳しい週末だったがそれでもいい内容だった。
NG:3位でも、とてもうれしいよ。かなり厳しかった。自分としては特に金曜日、雪が解け始めてからだ。走行順がかなり早かったので、すごくスリッパリーだった。土曜日は走行順が少し後になって、ちょっとは楽になった。それでも、いい週末だったよ。

Hyundai Motorsport GmbH


Q:あの360度スピンの後、すぐにノートに戻っていた。
NG:ラッキーだったね! OKだって、すぐに感じたよ。雪壁にわずかに接触して、ロスも数秒だけだった。

Q:きみたちは、いつも何かあるね。昨年はコリンズ・クレストで…。
NG:いつも、話題を提供しているでしょ。

Q:トミ・マキネン、オィットとトヨタが選手権首位に立った。気分はいいか。
TM:文句なしに素晴らしい週末だった。今回、オィットがラリーをコントロールしている様子が感じられた。あの走りを見ていると、自分がタイトルについて話していた20年前のことを思い出すよ。

Toyota Gazoo Racing WRC


Q:パワーステージでオィットがリスクを負うのではと心配はしたか。
TM:あのステージを振り返ると、素晴らしい走りだった。スムースないいラインで、全くリスクは負っていなかった。

Q:見事なパフォーマンスだったと。
TM:この週末は、そうだったと言えるね。この予想のつかないコンディションだった。プリペアは、通常の冬のコンディションで進めていたが、突然全てが解け始めた。モンテカルロのコンディションのようだった。誰にとっても、本当に難しい週末だった。



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