WRC第4戦ツール・ド・コルスは3月29日の競技初日を終えて、総合首位はMスポーツ・フォードのエルフィン・エバンス。2番手にはトヨタのオィット・タナック、3番手にはヒュンダイのティエリー・ヌービルが入っている。
この日行われたのは3SSを2度走行する計6SS。島の南東にあるポルト・ベッキオを出発したラリーカーは南部の山岳路121.82kmを走破し、島の北東にあるバスティア空港に設けられたサービスまで移動する。タイヤフィッティングゾーンはあるものの、サービスは設けられたないため、ひとつのミスが命とりになる可能性は大きい。
オープニングのSS1でベストタイムをたたき出したのはエバンス。2番手にはヌービル、3番手にはダニ・ソルドとヒュンダイ勢が僅差で続くかたちでラリーはスタートした。このSSではシェイクダウンでトップタイムをマークしていたトヨタのクリス・ミークが左フロントホイールを破損し大きく出遅れたほか、オジエもスピンを喫してSS8番手タイムに沈んでいる。また、ヒュンダイのセバスチャン・ローブもリヤサスペンションを傷めて2分近いビハインドを背負い込むことになった。
SS2、ミークはSS1の鬱積を晴らすかのようにベストタイムをマーク。チームメイトのタナックがSS2番手タイムで続き、総合首位に躍り出ることに成功した。タナックはSS3を制してリードの拡大を図るが、SS4では総合2番手につけていたエバンスが渾身の一番時計で首位を取り返す。エバンスは続くSS5でもベストタイムを刻み、タナクとの差を4.5秒とした。このSS5では、ミークが右リヤサスペンションにダメージを負い、再び大きくタイムロスを喫してしまっている。
そして迎えたこの日の最終SSではヌービルがベストタイム。エバンスはリヤサスのダメージを抱えて走行を続けるミークにSS内で追いついてしまい、タイムロスを余儀なくされる。道幅が狭くミークとしてもなかなか譲ることができず、SSのフィニッシュではエバンスに謝罪するシーンも見られた。最終的にエバンスにはタナックと同じタイムが与えられることとなり、総合首位の座を守って競技2日目に臨むこととなった。エバンス、タナックの背後にはヌービル、ソルド、Mスポーツ・フォードのテーム・スニネンが名を連ねる。
競技2日目はバスティア空港のサービスを拠点とした島北東部のワインディングが舞台。SS7〜SS12の計6SS、174.50kmを走破する。3SSを2度ずつ走行する構成だが、47.18kmというラリー最長のSSが設けられる山場の1日となる。オープニングのSS7は日本時間3月30日の15時38分スタート。
WRCフランス SS6暫定結果(トップ10)
1. E.エバンス(フォード・フィエスタWRC) 1:09:39.6
2. O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC) +4.5
3. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +9.8
4. D.ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC) +26.1
5. T.スニネン(フォード・フィエスタWRC) +30.9
6. S.オジエ(シトロエンC3 WRC) +36.3
7. E.ラッピ(シトロエンC3 WRC) +46.3
8. S.ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC) +2:27.9
9. E.カミリ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +2:46.4
10. Y.ボナート(シトロエンC3 R5) +3:06.4