TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムに参加中の勝田貴元が、3月28日(木)から31日(日)にかけてフランスのコルシカ島で開催されたFIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・フランス(ツール・ド・コルス)のWRC2に、コ・ドライバーのダニエル・バリットと共に参戦。部門4位でフィニッシュした。
ツール・ド・コルスは、今シーズン最初のフルターマックラリー。地中海に浮かぶフランスのコルシカ島を舞台とするこの1戦は、非常に長い伝統を誇り、過去に多くの名勝負が繰り広げられてきた。険しい山岳地帯が広がるコルシカ島のステージは曲がりくねり、直線区間が少ないのが特徴だ。そのため「1万コーナーのラリー」とも呼ばれている。道幅は非常に狭いところもあれば広いところもあり、路面に関してもフラットで良い舗装状態のところもあれば、舗装が劣化して砂利道のようになっている荒れた区間もある。全体的に非常にトリッキーなコースとして知られている。
勝田のツール・ド・コルス出場は、昨年に続き2回目。一方、コ・ドライバーのバリットはWRカーによる出場経験もあり、過去に総合2位でフィニッシュしたこともある。今年のツール・ド・コルスは、昨年と比べるとステージ全体の75%が新しくなり、勝田にとっては初めて走るステージが多く、新たなるチャレンジとなった。
競技初日、3月28日金曜日のデイ1は島の南部で6本のSSが行われ、勝田はWRC2の9位と上々のスタートを切った。29日土曜日のデイ2は島の北部が舞台となり、昨年と重なるコースもいくつかあったため勝田はペースをアップ。攻めるところと抑えるところのメリハリをつけた走りで、好タイムを刻んだ。そして、SS11では今大会のベストとなる2番手タイムを記録。その後、ライバルの後退もあり5位に順位を上げた。最終日となる30日の2本のSSを走り終えた勝田は順位をさらにひとつ上げ、WRC2部門4位という好結果で2度目のツール・ド・コルスを走破した。
勝田貴元
「決して簡単なラリーではありませんでしたが、それでも非常に楽しめました。昨年はこのツール・ド・コルスとスペインでターマックのドライビングについて多くを学び、自分のパフォーマンスは以前よりも上がりました。昨年と比べて、ドライビングもペースノートも大きく進化していると思います。このラリーのステージはそれぞれキャラクターが大きく異なり、とてもトリッキーです。特にトリッキーなステージではあまり激しく攻めず、コースアウトしないような走りに徹する戦略でしたが、いくつかのステージでは良いタイムが出て、スピードを証明することができました。予め立てた戦略通りの走りができて満足しています。今回は経験を積むことを最重視して戦ったので、結果はあまり期待していませんでした。それだけに、4位でフィニッシュできて嬉しく思います。チームと、このラリーで多くの支援をしてくれたコ・ドライバーのダンに、感謝します」
ユホ・ハンニネン(TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラム コーチ)
「3日間を通して貴元が安定した走りを続け、ターマックでのドライビングを進化させたことを嬉しく思います。大きなミスをすることもなく、速さもきちんと示しました。昨年このラリーに初めて出場した時と比べると、多くを学び、大きく成長したことは明らかです。土曜日にセカンドベストタイムを記録したのは、将来に向けて非常に明るいサインだと思いますし、上手く行けばパフォーマンスをさらに強化できると思います」