WRC第5戦アルゼンチンは競技最終日のSS16〜SS18を終え、ヒュンダイのティエリー・ヌービルが連勝、2位にはチームメイトのアンドレアス・ミケルセン、3位にはシトロエンのセバスチャン・オジエという順位となった。オジエと僅差の3位争いを繰り広げたトヨタのクリス・ミークが4位、5位にはチームメイトのヤリ‐マティ・ラトバラが入っている。
最終日に残されたSSはわずかに3つ。エル・コンドル(SS16/18)、ミナ・クラベロ(SS17)は、いずれもWRCの歴史に名高い名物ステージであり、いくつもの名勝負の舞台となってきた。オープニングのSS16は、750m以上を登っていくヒルクライム。ここでは前日ペナルティを科されて順位を落としていたトヨタのクリス・ミークが渾身のベストタイムをマーク。ソルドをとらえて総合4番手に浮上することに成功した。
SS17では、すでに十分なマージンを築いているヌービルが、仕上がりの良さを伺わせる一番時計。SS2番手に入ったラトバラは、僅差ながらソルドをかわして総合5番手にポジションを上げている。このSSでミークは総合3番手となり、総合4番手のオジエに5.2秒差をつけて最終SSに臨むこととなった。
そして最終パワーステージは、「できることはすべてやった」と言うオジエが制し、総合順位でもミークを逆転して3位に。この結果、ヌービルは前戦ツール・ド・コルスに続く今季2勝目。ミケルセンが2018年スウェーデン以来となる久々の表彰台を獲得し、ヒュンダイの1-2フィニッシュとなった。
WRC2に出場している勝田は競技2日目のリタイアが響き完走するにとどまったが、計7SSでWRC2のベストタイムを刻み、SS14では総合10番手タイムをマークするなどスピードを見せた。
次戦は初開催となるチリ(5月9日〜12日)。太平洋沿岸部の港町タルカワノを拠点としての開催となり、アルゼンチンほど高地ではないが、どのワークスチームにとっても初めての戦いとなる。各チーム、クルーの地力が試されるイベントとなりそうだ。
WRCアルゼンチン SS15後暫定結果
1. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) 3:20:54.6
2. A.ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC) +48.4
3. S.オジエ(シトロエンC3 WRC) +1:04.8
4. K.ミーク(トヨタ・ヤリスWRC) +1:06.2
5. J-M.ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) +1:21.1
6. D.ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:26.7
7. T.スニネン(フォード・フィエスタWRC) +4:57.3
8. O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC) +14:24.8
9. M.オストベルグ(シトロエンC3 R5) +14:28.5
10. P.ヘラー(フォード・フィエスタR5) +20:14.5