ERC第2戦ラリー・イズラス・カナリアス(ターマック)は5月4日、スペイン領のカナリア諸島グランカナリア島で、競技最終日となるレグ2に設定された8SSを走行。前日を2番手で折り返したERC1ジュニアのペペ・ロペスが、ERC初勝利を飾った。
今年のカナリアスの優勝争いは、レグ1を首位で終えた2018年のERC王者アレクセイ・ルキヤナクと、3.8秒差で追うロペスの真っ向対決になると見られていた。しかし、この日最初のステージでルキヤナクがコーナーのイン側に引っかけて左フロントタイヤとサスペンションを破損。ここで、まさかのリタイアとなってしまった。これでクルージング状態となったロペスは、ペースをコントロールして1分半近くの大差をつけて勝利を飾った。スペイン人のERC戦勝利は、2007年のエンリケ・ガルシア・オジェダ以来。
「本当に、本当にうれしいよ」と喜びを表すロペス。
「シトロエン・レーシング、チームのみんな、そして支えてくれた全ての人々に感謝したい。昨年はあまりチャンスがなく厳しいシーズンとなったが、この状況は自分のキャリアにとっても重要なこと。アレクセイとはいい戦いをしていたので、最初のステージでストップしてしまったのは残念。でも、自分のスプリットは、あのステージでもよかった。アドバンテージが30秒以上できてしまうとペースノートに集中することが難しくなってしまうが、今回の自分はやり切った。自分のキャリアの中で、最高の瞬間だよ」
一方、2位争いは、クリス・イングラムとERCジュニアで2回のタイトル経験があるマリヤン・グリエベルが大接戦。しかし、グリエベルがSS15でパンクに見舞われ2分近くをロス。これで、総合9位にまで後退してしまった。この結果、イングラムが2位でフィニッシュ。3位には、最終2SSでベストタイムを連発したルーカス・ハバイが食い込んだ。ハバイはこれで、ERCのポイントリーダーの座も堅守した。
ERC2はアバルト124ラリーのアルベルト・モナーリがトップフィニッシュ。モナーリは、新設されたアバルトラリーカップ初のウイナーとなり、1万2000ユーロの賞金を手にした。
ERC3はフローリアン・ベルナルディ(ルノー・クリオR3T)、ERC3 ジュニアはジャン‐バティスト・フランチェスキ(フォード・フィエスタR2T)が部門優勝を飾った。
ERCの次戦、第3戦ラリーリエパヤ(グラベル)は5月24−26日、ラトビアで開催される。このイベントには、新井大輝がストールレーシングが運営するSTARDからの参戦を表明している。
ERCカナリアス 最終結果
1. J.ロペス/B.ロザダ(シトロエンC3 R5) 2:06:23.9
2. C.イングラム/R.ウィトック(シュコダ・ファビアR5) +28.5
3. L.ハバイ/D.ディムルスキ(シュコダ・ファビアR5) +39.9
4. N.ヘルチグ/R.フレンツ(フォルクスワーゲン・ポロGTi R5) +52.9
5. P.ルーベ/V.ランダイス(シュコダ・ファビアR5) +54.6
6. I.アレス/D.バズケス(ヒュンダイi20 R5) +1:07.5
7. S.パニラ/A.サンチェス(ヒュンダイi20 R5) +2:14.4
8. L.モンゾン/J.デニス(フォード・フィエスタR5) +2:16.6