FIAヨーロッパラリー選手権(ERC)第3戦ラリーリエパヤ(グラベル)が、5月24‐26日にラトビアで開催される。
ヨーロッパ屈指の高速グラベルステージとして知られるこのイベントには、ERCジュニア部門にシーズン最高の23人がエントリーしている。R5マシンが対象のERC1ジュニアには、7人が出走。そのなかには、今季のERC初戦を迎える新井大輝が含まれている。マンフレッド・ストール率いるSTARDから参戦する新井は既報のとおりシトロエンC3 R5でラリーに挑む。コ・ドライバーはベテランのイルカ・ミノアという布陣だ。
イベントを前に新井は「リエパヤは、とても独特なチャレンジ。好リザルトを目指すが、一番の目的はヨコハマとのタイヤ開発作業になる」と落ち着いたコメントを寄せている。
「ERCのレベルは高く、このイベントの経験を持っている若手もたくさんいるので簡単にはいかない。自分自身も、新しいコ・ドライバーとの初めてのラリーだしマシンのこともまだあまり分かっていないので、チャレンジングな一週間になる。ラトビアでは4年前に一度、ラリーに出たことがあるので、例えばフィンランドよりもルーズなグラベルが多いという程度の理解はしている」
さらにこの部門には、ペター・ソルベルグを父に持つオリバー・ソルベルグも、フォルクスワーゲン・ポロGTI R5でエントリーしている。日本に縁の深い若手ドライバー同士の対決が実現する。
現在17歳のオリバーは「このラリーには昨年、R2マシンで参戦しているが、とても速度域が高かった」と昨年のリエパヤ参戦を振り返る。
「今回はR5マシンでの参戦なので、もっともっと速くなる。ポロでグラベルのラリーに出るのは初めてだが、とにかくベストを尽くすだけ。何も期待はかけていない。このマシンはかなり改良が進んで、快適にドライブできるようにもなった。セスクやイングラムという速いドライバーを相手にしなくてはならないが、そのことにはとらわられず、自分のことに集中して経験を積んで行きたい。ラトビア選手権の戦いのことも考えなくてはならないしね」
現在、ERC1ジュニアは、英国のクリス・イングラム(シュコダ・ファビアR5)が選手権トップに立っている。このほか、Toksport WRTのチームメイトでキプロス出身のアレクサンドロス・ソウロフタス(ファビアR5)、地元リエパヤのマルティン・セスク、チェコ連盟の支援を受けるフィリップ・マレス、グラベルを得意とするスウェーデンのマティアス・エイディルソン(C3 R5)と、いずれも注目の若手がこぞって参戦してくる。
また日本からは新井のほか、RSタケダ・ワールドラリーチームから村瀬太がフォード・フィエスタR2でエントリーしている。
ラリーは5月24日にフリー走行と予選ステージが行われた後、25-26日の2日間にわたって13SS・207.98kmが設定されている。