競技3日目を迎えたポルトガルは、好天とはいえないまでも傘を必要としない空模様の下スタートした。オープニングステージのSS11は全体的にほぼドライ。残る2本も雨で湿っているところはあるが、比較的走りやすい路面状態が保たれた。
デイ3ではタイム差が42秒以内におさまっているトップ3の首位攻防戦が期待されたが、トップを走るミッコ・ヒルボネンはつけ入る隙を与えなかった。前日3位のマッズ・オストベルグは2本目のSS11でエフゲニー・ノビコフをかわし2位に浮上。しかし、ヒルボネンはスプリットタイムをチェックしながらペースをコントロール。
「ミッコに追いつくことは難しい。3位ノビコフとの差を見ながら走ることにする」と、オストベルグは2位キープの作戦にシフト。6本のSSを走りデイ3が終了した時点で首位ヒルボネンとの差は1分11秒9と大きく広がった。
一方のノビコフは、午前中エンジンにミスファイアが発生したことでペースが上がらなかった。トラブルは修復されたが2位オストベルグと26.6秒差の3位でデイ3を終了した。
ヒルボネンは「昨日に比べればグリップレベルが安定していて走りやすかった。明日も集中力を絶やさず全力で臨む」と、穏やかな笑顔でデイ3をふり返った。
この日はペター・ソルベルグが総合12位から激しい追い上げをみせた。ソルベルグはSS12からSS15にかけて4連続ベストタイムをマーク。SS15ではついに総合4位まで浮上。表彰台にあと1歩というところまで迫った。しかしデイ3最後のSS16スタート直前、パワーステアリングのトラブルが発生し、14番手タイムでフィニッシュ。前のステージで抜いたナッサー・アル=アティヤに4位を明け渡し、首位から6分26秒5遅れの5位に後退した。