FIAは6月14日、今年2回目となるワールドモータースポーツカウンシルのミーティングをパリで開催した。
WRC関連では、日本の関係者やファンが注目している2020年のカレンダーについては、2019年6月末まで承認を先送りすることになった。それまでの間、競技のローテーションの可能性を模索するという。
一方、2022年に次世代のWRカーを5年間の公認サイクルで導入することが承認された。マニュファクチャラーは、量産車のボディシェルか、プロトタイプのチューブラー構造を現行のWRカーのサイズのガイドラインに合わせて使うことが認められる一方で、FIAは今後、外観について量産車のものを維持する要素の明確化を進める。また、ボディを制限範囲内で拡大・縮小する選択肢も与えられ、大型のモデルを規定の範囲内に適合させることも可能となる。
次世代WRカーは、補助的なハイブリッドシステムが採用され、最初の3年間は共通のコンポーネンツやソフトウェアも構成に加え、2024年には技術面での自由度が広げられる可能性もあるという。この方式が目指すのは、市街地での走行時には完全電力で走行し、SSでは電動のパワーブーストを使用できるようにすることだ。
4WDマシン対象の全選手権で使用するタイヤは、2021-2024年の期間単位で支給されることとし、タイヤ開発がエスカレートするのを防ぐことでコスト削減を目指す。
ジュニアWRCのプログラムは、向こう2シーズンは現行のフォーマットで継続。既存の賞典であるフォード・フィエスタR5とWRC2への参戦パッケージに加え、2020年のチャンピオンにはWRCにステップアップする可能性を広げるチャンスも与えられる。その後、WRC2選手権でタイトルを獲得するという条件付きで、ジュニアWRCのチャンピオンは、Mスポーツが走らせるマシンでWRC2戦に参戦するチャンスを得ることができるというものだ。このプログラムを支援するために、Mスポーツはピレリと連携して、フィンランド、英国、エストニア、イタリアで、ナショナルレベルの育成プログラムを展開し、世界の舞台へステップアップするチャンスを広げる。
カウンシルは、現行のプロモーターとの長期単位での契約更新を承認。この案件は、長文にわたる同意書への署名待ちとなっている。