WRC第8戦ラリー・イタリア・サルディニアは6月16日、最終日を迎え、前日WRC2首位に立っていたTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの勝田貴元は無念のリタイアに終わった。
土曜日の最終ステージでWRC2首位を走っていたピエール・ルーベ(シュコダ・ファビアR5)がパンクで出遅れたため、一躍WRC2首位に。
「今年のテーマである完走して経験を積む、ということには変わりありませんが、せっかく勝てるチャンスが出てきたので、明日は序盤に相手のペースを見ながら狙っていきたい」という言葉どおり、強い気持ちで日曜日を迎えた勝田。朝のパルクフェルメを出るところでクラッチに異常があり、朝の15分サービスで修理して事なきを得て迎えたSS16。しかし、スタート直後から異常を感じていた。
「少し(速度が)伸びていないかな、と。フィーリング的にはリズムよく走れていたので、昨日とはタイプの違うステージだからかなとも思ったんですが、ステージの後半に焦げ臭い匂いがしてきて、フィニッシュしてタイムを見たら遅い。あの走りをしてこんなに遅いはずはないので、チェックしようとエンジンを止めたら火が出てきてしまいました」
なす術もなくここでリタイアとなった勝田は「これ以上ないくらい残念です。たらればを言っても仕方ありませんが、アルゼンチン、チリ、ポルトガル、今回と4勝はできたはず。3つも勝てるラリーをトラブルで落としたのははっきり言って悔しい」と肩を落とした。
しかし、それでも「この(古い)フィエスタでも優勝争いができるというのは見せられたし、次のフィンランドは新しいフィエスタになって必ず良くなるはずなので、勝てなかった3つのラリーの分を取り返せるよう、最初から勝ちを狙っていきたい」と力強く前を向いた。