ERC第4戦ラリーポーランド(グラベル)は6月30日、最終日となるレグ2に設定された3SSを2ループする6SS・86.44kmの競技が行われ、前日首位に立ったアレクセイ・ルキヤナクがリードを広げて優勝を飾った。
ルキヤナクは、土曜日のSS2でヒュンダイ・モータースポーツのヤリ・フッツネンから首位を奪取。最終日は、午前中のループで石にヒットしたことでパンクを喫し、一時はフッツネンとの差が縮まったものの、残るステージをベストタイムで揃え、最終的にリードを1分近くにまで広げてトップフィニッシュを飾った。タイトル連覇を狙う現王者のルキヤナクにとって、これが今季初勝利となった。
「このリザルトを待ちわびたよ」とルキヤナク。
「アゾレスからこの調子をつかんでいたはずだったが、ちょっと不運があった。これで、リベンジを果たしたような感じだ。今回も危ない場面はあったが全て切り抜けた。圧勝で飾る事ができて、ハッピーだ」
ワークスのサポートを受けるヒュンダイi20 R5で参戦するフッツネンは、今季初勝利に向けて気合いの入るルキヤナクの勢いを見て、確実にポディウムキープの体制。昨年のポーランドと同じ2位フィニッシュとまずまずの結果を収めた。フッツネンは、4WDマシンにステップアップしてからは、ERCではポディウムフィニッシュ率100%をキープしている。地元ポーランド出身の選手権リーダー、ルーカス・ハバイもポディウムに上がり、選手権リードのダメージを最小限に抑えた。現在、首位ハバイと2位に浮上したルキヤナクとの差は11ポイントとなっている。
ハバイは、この日の序盤に前日3番手につけていたフィリップ・マレスがSS12に右リヤのパンクを喫したことで、3番手に浮上した。そのマレスは1分以上をロスしたものの、総合4位のポジションは死守し、ERC1ジュニア部門をトップでフィニッシュした。この部門で選手権首位につけていたクリス・イングラムは、水漏れによりSS13後のリエゾンでリタイアを決めており、これでマレスにもタイトルが視野に入ってきた。
前日6番手につけていたシトロエンC3 R5の新井大輝は、この日最初のステージで4番手タイム、続くステージでは5番手タイムをマーク。「1本目は路面がとても締まっていたのに、2本目はすごくソフトになっていて驚いた」と語っていたが、3本目のSS12で転倒。残念ながら、ここでリタイアとなった。
ERC2はファン・カルロス・アロンソ(三菱ランサーエボリューションX)、ERC3ではエストニア・オートスポーツ・ジュニアチームのケン・トーン(フォード・フィエスタR2T)がそれぞれ前日からのリードを守り切って、部門優勝を飾った。
ERCの次戦、第5戦ラリー・ディ・ローマ・キャピターレ(ターマック)は7月19-21日に開催される。
ERCポーランド 最終結果
1. A.ルキヤナク(シトロエンC3 R5) 1:45:49.4
2. J.フッツネン(ヒュンダイi20 R5) +59.8
3. L.ハバイ(シュコダ・ファビアR5) +1:51.5
4. F.マレス(シュコダ・ファビアR5) +2:09.2
5. D.アーロン(シュコダ・ファビアR5) +3:05.2
6. T.カスペルチク(フォード・フィエスタR5) +4:02.1
7. M.エディエルソン(フォード・フィエスタR5) +4:06.5
8. N.ヘルチグ(フォルクスワーゲン・ポロGTi R5) +4:06.6