WRCキャンディデートイベントとなっているアフリカ選手権サファリラリーは7月7日、混乱とともに終了した。
ラリーの締めくくりに設定された38kmの最終ステージは、ほとんどのクルーが援助なしではドライブできない事態となった。このステージはすでに1回目の走行で、ステージ上の砂地にできた深い穴で多くのクルーがリタイアを喫していた場所だ。最終SSでは、ラリーで長く首位に立っていたシュコダのマンビール・バリヤンが3番手に後退。これで2番手につけていたシュコダのオンカール・ライが首位に上がったが、そのライも転倒を喫し、この最終日をバリヤンに19.6秒遅れでスタートしていた三菱のバルデフ・チェイジャーが首位浮上を果たして、そのままトップフィニッシュを飾った。
このイベントは、開催前から苦難が続いており、悪天候によりルート変更を余儀なくされ、ラリーが始まってからは、予定されていたSS2がキャンセルとなっている。
今週はFIAが2020年の暫定WRCカレンダーを発表する予定(火曜日が濃厚)となっており、サファリと日本がカレンダー入りの候補に挙がっている。
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元WRCチャンピオン5人が、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに集結した。みなさんは、どれだけご存知だろうか? 5人はそれぞれデモンストレーション走行に登場予定だったが、ミキ・ビアジオンは残念ながらドライブする予定だったランチア・デルタS4が、デモンストレーション前に所有者自身の走りで豪快にクラッシュされてしまったため、出走できずに終わっている。
一方、フォルクスワーゲンの電動マシン、ID Rはロマン・デュマがコースレコードを更新した。ヒルクライムに近いコースのシュートアウトでは、プロトン・アイリスR5のオリバー・メローズがグラベルラリー車でのトップタイムをマークしたのは、ちょっとしたサプライズだった。ゲスト参加のWRCドライバー陣では、エルフィン・エバンス(フィエスタ)が、マッズ・オストベルグ、エサペッカ・ラッピのC3 WRCを上まわった。
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7月5日にWRCラリーフィンランドのエントリーリストが発行され、65台がエントリーした。ヘイデン・パッドンはカーNo.20でエントリーされており、同じく今季初めてのWRC戦を迎えるクレイグ・ブリーンはNo.42となった。選手権外のWRカー参戦は48歳のヨウニ・ビルタネンのみで、元WRCドライバーのヤンネ・トゥオヒノが走らせるフォード・フィエスタを駆る。
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ラリーフィンランドのテスト参戦の場として話題を集めているラリーエストニア。そのエストニアと会期が重なったために影に隠れるかたちとなっているのが、オートグリムラリーだ。タンペレで開催される単独イベントのエントリーは159台を集めたが、今年は著名ドライバーの名前はない。マシンはほぼR5のみで、ヤン・ソランスだけがR2での参戦だ。
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フランス選手権第5戦ラリー・アベロン・ルエルグ – オクシタニーでは、フランスチャンピオンのヨアン・ボナートが僅差でリードに立っていたが、フィニッシュまで3SSというところでコースオフ。同じくシトロエンC3 R5を駆るヨアン・ロッセルが優勝を飾り、ここ3戦をマキシマムポイントでそろえ選手権首位に浮上した。このイベントでは、シュコダのニコラ・シャミンとシルバイン・ミシェルもポディウムに上がっている。
(Martin Holmes)