世界ラリークロス選手権第6戦は7月7日、スウェーデンのヘリェスでファイナルが行われ、ワイルドカード枠で参戦した地元スウェーデンのセバスチャン・エリクソンが優勝を果たした。
この週末、ヘリェス・モータースタジオンには4万8000人の観衆が詰めかけた。ファイナルが行われる当日は、序盤豪雨に見舞われ予選セッションではチャレンジングなコースコンディションに。しかし、午後にファイナルが行われる頃になると、日差しも見え始めコースはドライとなった。
オルスベルグMSEではエンジニアとメカニックとしての側面も持つエリクソンは、世界RXの参戦はこれがまだ4回目。前回参戦した2014年のヘリェスでもファイナルをリードしたが、フィニッシュラインを目前にメカニカルトラブルに見舞われていた。自宅はこのヘリェスから1時間ほどというエリクソンは、世界RX戦のプリペアも兼ねて、この週末はノルディックRXイベントにも参戦。世界RXのファイナルでは、堂々のポールポジションから優勝を果たした。
「ここで勝つことは、本当に特別なこと」とエリクソン。「ラリークロスドライバーなら、誰もが勝ちたいと思うレースなので、ここで勝てたなんて信じられない。スーパーカーをドライブするのは1年半以上ぶりだった。ヘリェスは格別のコース。トラックの周りの雰囲気は、他の会場にはないし、コース自体もラリークロスとして最高」
エリクソンのフィエスタは、最終ラップではオーバーヒートで速度を落とし、チーム・ハンセンMJPのケビン・ハンセンから差を詰められたが、僅差で振り切った。
「ファイナルをリードしていたが、パワーが落ち始めプレッシャーを受けているのが分かったが、とにかくタイトな走りをキープしてケビンにスペースを作らないようにした」とエリクソン。「チームは素晴らしい仕事をしてくれた。コンペティティブに戦えるとは思っていなかったが、Q1からペースがよかった。ここで勝てたので、今後の見通しもよくなりそうだ。今年、他のレースへの参戦も視野に来週はどうしていくか、ミーティングを持つよ」
最後まで攻め寄ったケビン・ハンセンは、ファイナル2位に終わったものの、ドライバーズ選手権では兄のティミーをかわして首位に浮上。ケビンとティミーのポイント差は、現在6となっている。3位には、土曜日のQ1で転倒を喫した後、見事にレースに復帰したレイニス・ニッティスが入った。ニッティスの世界RX参戦は、開幕戦のアブダビ以来。今後の参戦プランについて「シーズン後半には母国のラトビアで開催があるので、何とか参戦したい。そのために、全力を尽くすよ」
ニッティスのGRXタネコのチームメイトで、前戦ノルウェーでファイナルを制したニクラス・グロンホルムは4位でフィニッシュしたが、コース制限に抵触したことで5秒のペナルティを受け5位に降格となっている。これにより、自身2度目の世界RX参戦にESモータースポーツ・ラバス・ガスから挑んだケビン・アッブリングが4位に繰り上がった。
ドライバーズ選手権では3位につけているアンドレアス・バックラッドは、 セミファイナルをリードしていたが、ドライブシャフト破損に泣き、ファイナル進出を逃している。
世界RXスウェーデン ファイナル結果
1 セバスチャン・エリクソン(フォード・フィエスタ) 4:26.658
2 ケビン・ハンセン(プジョー208) 4:26.996
3 レイニス・ニッティス(ヒュンダイi20) 4:30.989
4 ケビン・アッブリング(シュコダ・ファビア) 4:46.768
5 ニクラス・グロンホルム(ヒュンダイi20) 4:43.180
6 ティミー・ハンセン(プジョー208) 5:12.518