ラリーフィンランドの現場に姿を現したペター&オリバー・ソルベルグ親子。第12戦ラリーGBにふたりでフォルクスワーゲン・ポロGTI R5を駆って出場することがすでに発表されており、注目を集めている。今回はラリー観戦の家族旅行として、モーターホームでフィンランドを訪れたという。囲み取材でインタビューに応えてくれた。
──ウェールズラリーGBにふたりで出場するわけですが、どれだけ楽しみにしていますか?
オリバー・ソルベルグ(以下OS)「ものすごく!」
ペター・ソルベルグ(以下PS)「そうだね、とても楽しみだ。夢が実現したようなものだからね。特にオリバーと一緒のイベントに出場できるなんて本当に特別の機会だ。とても楽しめるだろう。昨年に比べて僕は体調が戻ったから、こうやって実際にラリーを観ると、もっとドライブしたいと思うよ。
あまりにもラリーが好きだから、とにかく楽しみなんだ。昨年のスペインでは体調が悪くて、実を言うと心の底からは楽しめなかった。でも先日ヒルクライムにも出たし、グッドウッドでもドライブしたから、ドライビングのカンは取り戻せているよ」
──引退発表が時期尚早だったのでは? 早くも来年カムバックとか?
PS「いやいや(笑)、これからはオリバーのサポートに集中していく。彼と楽しんで、一緒に様々なディテールを完璧に詰めて、技術的なことを学ばせていく。もうすでにいろいろ学んできたと思うけれどね。ラトビアでのドライビングはハリ・ロバンペラがサポートしてくれたんだ。カッレもとてもうまくいっているようだし、僕らも同じ道を歩みたいね」
──オリバー、ラリーGB前には運転免許を取得しなくてはならないのですよね?
OS「それがちょっと面倒なところかな」
PS「取れなかったら出場するのは僕だけになるかもね(一同爆笑)! ラリーでは常にプレッシャーがつきものだ。そういう中で、イベントの1週間前に運転免許を取得するのもいいプレッシャーの勉強になる」
──カッレもそうでしたね。
OS「でも経験を積むのに早すぎるということはない。オジエと話をしたけど、できるだけ早くステージを走るようにアドバイスをもらったよ」
PS「オジエは良い友人で、彼はオリバーになるべく早い段階でステージをドライブするよう勧めてくれた」
OS「色々なステージを学ぶ方がいい、ってね」
PS「ただし、WRC2はあくまでも通過地点だ。ラトビア選手権で勝ったりしたが、重要なのはWRCで走ることだ。多くのテストをこなし、様々なセッティングを試すことが重要だ。ペースノートを作ることもね。その一方でオリバーに驚かされるのは、初めて走るアメリカやその他のラリーなどでもペースノートがとても優れていて、地元のドライバーと同じペースで走ることができる点だ」
OS「アメリカのラリーは少しシステムが違うから、新しいルートやペースノート、システムなどを学ぶ良い機会だと思っている。前回走ったラリーでのアベレージは時速144kmだったんだ! だからとても速いラリーだった。逆にとても遅いラリーもある。サービスも異なるし、路面も違う。とてもいい経験ができていると思うよ」
──アメリカで参戦しているマシン、スバルWRX STIはどうですか?
OS「ちょっとポロよりは重たい感じがするよね(笑)! でもメリットも大きい。様々なクルマをドライブするのは重要だし……」
PS「空力も違うしね」
OS「そうだね。重たいし大きいけど、スバルブルーのカラーリングを施したクルマに乗るのはとにかくうれしい」
──オリバーがスバルに乗るというのはどういう意味がありますか?
PS「初めてオリバーがスバルでテストした時、ちょっと涙が出てきた。多くの人にとっては仕事のひとつかもしれないが、僕らにとっては人生そのものだ。一生懸命頑張ってきたことが結実するのはとても感動的なことだしね。オリバーにとっても夢のような話だったはずだ。彼はアメリカで活動することを自分で決め、ミーティングも自らセッティングした。僕らは知らなかったんだ」
OS「メールしたことについては話をしていたよね?」
PS「CCしてくれなかったじゃないか(笑)! 自分でスポンサーとの話し合いをしたり、学ぶことはとても有用なことだと思った。僕らは全員、そのようにしてキャリアを始めた。自分で運命を切り開いてね」
──オリバー、最初は誰も手助けしてくれずに色々と大変だったわけですよね。
OS「僕の状況は幸運だと思っている。自分の幸運な状況を最大限に活かそうと思った。もちろん、スポンサーとの交渉は難しいものだし、いろいろ大変だけど、絶対に成し遂げるという意思があれば、叶うのかもしれないと思っているよ」