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WRCフィンランド:勝田貴元、初日3位につけるもリタイア。小さなミスに泣く

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムに参加中の勝田貴元が、8月1日(木)から4日(日)にかけてフィンランド中部のユバスキュラを中心に開催された、FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦ラリーフィンランドのWRC2部門に、コ・ドライバーのダニエル・バリットと共に参戦。金曜日にはカテゴリー3位につけるなど健闘したが、土曜日の最初のステージでクラッシュ。リタイアでラリーを終えた。

勝田にとって、今回は4回目のラリーフィンランド出場だった。フィンランドに住み、プログラムの一環としてこれまで多くのフィンランド国内ラリーにも参戦してきた勝田は、ハイスピードなグラベルステージを得意としている。そして今回は、新たに開発されたフォード・フィエスタR5のWRCデビュー戦を担うことになった。そのテストの目的もあって出場したラリーエストニアでは、僅か3ステージしか走ることができず、充分な経験を得られないままラリーフィンランドに臨んだ。

それでも勝田は良好なスタートを切り、ミスのない走りで金曜日のステージを走破。もう1台の新型フィエスタR5を駆るエリック・カミリよりも速いタイムを刻み、WRC2カテゴリー3位につけた。しかし、土曜日最初のステージの最初のコーナーで、道の外側に設置されていたマーカーフラッグに接触。その際、フラッグの裏側に置かれていた大きなコンクリート製のブロックに当たり、クルマに大きなダメージを受けてしまう。損傷は制限時間内にサービスで修理できるレベルではなく、勝田とチームは競技続行を断念。日曜日のステージを走ることなくリタイアとなった。

勝田貴元
「ラリーエストニアでは、この新しいクルマで充分走行できなかったので、学習すべきことが多くありました。開発をしながら走るのは非常に難しかったですが、全てのステージでプッシュし、金曜日のいくつかのステージではトップの選手達に近いタイムを刻むことができました。金曜日のパフォーマンスには概ね満足できたので、土曜日に関しても同じアプローチで臨みました。しかし、最初のステージの最初のコーナーで、コースサイドのマーカーフラッグの裏側にあった大きなコンクリートブロックに当たってしまいました。ただの旗だと思ってコーナリングラインを変えなかったのですが、非常に大きな衝撃を受けました。小さなミスではありましたが、僕らのラリーはそこで終わってしまいました。とても残念ですが、この経験から多くを学び次のチャレンジに活かしたいと思います」

TOYOTA

ヤルッコ・ミエッティネン(インストラクター)
「タカとダンは、小さなミスによりリタイアとなってしまい本当に残念です。金曜日は良い1日で、タカは慣れないクルマを上手に操り、力強く走りました。将来のために、全てのステージを競争力のあるスピードで走り切ることが重要でしたが、不運にもこのような結果に終わってしまいました。最初のコーナーであろうと、最後のコーナーであろうと、このようなことが起こるので、ラリーは本当に難しいスポーツです」

勝田の次戦は、8月22日(木)から25日(日)にかけて開催される、WRC第10戦ラリードイツ。勝田はこれまでR5カーでWRC2に出場してきたが、ドイツではついにWRカーのヤリスWRCで出場する。今シーズンはフィンランドラリー選手権の2戦にヤリスWRCで参戦し、いずれも総合優勝を飾っているが、WRCイベントにヤリスWRCで出場するのはドイツが初めてとなる。

また、勝田にとってドイツは初めて出場するラリーでもある。ラリードイツでは、一般的な峠道だけでなく、ブドウ畑の農道や軍事演習場内のトリッキーな道など、様々なステージを走行する。フルターマックラリーの中ではもっとも難易度が高いともいわれており、出場経験がない勝田にとっては大きなチャレンジとなるだろう。



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