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世界RXカナダ:強豪バックラッドがついに今季初勝利

©FIAWorldrallycross.com

世界ラリークロス選手権第7戦は8月3日、ファイナルがカナダのグランプリ・トロワリビエラで行われ、アンドレアス・バックラッドが優勝。シリーズ残り3戦というところで、ドライバーズ選手権の勢力図を塗り替えた。

バックラッドの世界RX戦優勝は、2016年のアルゼンチン以来。2018年も何度もファイナル進出を果たし、ワークス不在となった今年もタイトル候補の最有力の1人として目されていた。しかし、ベルギー戦と英国戦で2位に入ったものの、優勝まで一歩及ばなかったバックラッドが、ついにカナダのケベック州で展開されたストリートサーキットで今季初勝利をマークした。

「RXカルテルのクルーと一緒に、一丸となって必死に取り組んできた。ずっとこの日がくることを願っていたが、今季は不運や、あと一歩という展開が続き、もう優勝することはできないのかもしれないとさえ思った」とバックラッド。
「開幕戦のアブダビまで、少し厳しい時期があった。ベルギーとシルバーストンでかなりいいところまで迫り、スウェーデンではセミファイナルまでは強さがあった。今日も、ファイナルではスタートでクラッチが滑るなどトラブルがあった。でも、チームが団結して乗り越えてきたので、本当にうれしいし、バックラッド・ブルーのサポーターのためにも、やっと期待に応えることができた」

「最後に優勝した時から、950日近く経っている。正直、今回も期待していた内容ではなかった。カナダは得意ではなかったしね。でも、マシンが無傷でうれしいよ」

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この優勝によりドライバーズ選手権では、バックラッドはティミー・ハンセンをかわして2位に浮上。選手権リーダーのケビン・ハンセンにも5ポイントにまで迫った。そのケビン・ハンセンは5位タイムでフィニッシュしたが、レース後、アントン・マルクルンドのクラッシュを引き起こしたと判断し、失格の裁定を受けた。
選手権争いはカナダ戦終了時点で、ケビン・ハンセンが143ポイント、バックラッドが138ポイント、ティミー・ハンセンが129ポイントとなっている。

タイトルチャンスについてバックラッドは「とても接戦になっているし、どのレースも全く予想がつかない。(今季最終戦の)ケープタウンまでもつれ込むと思っている。リザルトとともに、運にも恵まれなくてはならない」と語る。

バックラッドが語るように、選手権3位につけているティミー・ハンセンは今回、運に恵まれなかった。Q2でクラッシュした後、Q4では複数台が絡んだ接触に巻き込まれ、レースはフィニッシュしたものの、マシンは大きくダメージを受けてしまった。これによりセミファイナル進出を逃し、今戦の獲得ポイントはわずか4に留まった。

ファイナルを2位でフィニッシュしたのは、チームSTARDのジャニス・バウマニス。ノルウェー戦では3位に入っており、これが今季自己ベストリザルトとなる。3位には、5月のスパ戦でバックラッドを抑えて優勝を飾っているGRXタネコのティマール・ティマラザヤノフが入った。セミファイナルでは、ヒュンダイi20のサスペンションを破損しながらもレースを制したティマラザヤノフは「実は、サスペンションが壊れていた方がドライビングのフィーリングはよかったよ」と冗談めいた。
「ファイナルでは、ジョーカーラップでケビンとアントンがクラッシュしたので、3位はプレゼントのようなもの。今日はラッキーだったが、これもレースだ」

ティマラザヤノフのGRXタネコのチームメイト、ニクラス・グロンホルムはインターミディエイトリザルトでトップにつけたが、セミファイナルではジョーカーラップの戦略が裏目に出てしまい、セミファイナル進出を逃している。

世界RXの次戦は9月1日、フランスのロエアックでファイナルが行われる。

世界RXカナダ ファイナル結果
1. A.バックラッド(アウディS1) 5:04.720
2. J.バウマニス(フォード・フィエスタ) 5:05.940
3. T.ティマラザヤノフ(ヒュンダイi20) 5:06.415
4. G.シシェリ(ルノー・メガーヌRS) 5:19.674
5. A.マルクルンド(ルノー・メガーヌRS) 1:49.998
6. K.ハンセン(プジョー208)



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