WRCドイツ:勝田貴元「素晴らしいチームにいる状況を存分に活用しなくてはならない」プレ会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCドイツ:勝田貴元「素晴らしいチームにいる状況を存分に活用しなくてはならない」プレ会見

©Toyota Gazoo Racing WRC

WRCドイツのシェイクダウン後に行われたプレイベントカンファレンスの内容(抜粋)。トミ・マキネン・レーシングからWRカーで初めてWRC戦に参戦する勝田貴元。トヨタのワークスチームのメンバーからもアドバイスを与えてもらえる恵まれた環境にいる幸運を噛みしめるように決意を語った。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者

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オィット・タナック=OT(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
セバスチャン・オジエ=SO(シトロエン・トタルWRT)
ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
ガス・グリーンスミス=GG(Mスポーツ・フォードWRT)
勝田貴元=TK(トミ・マキネン・レーシング)

Q:オィット、選手権リーダーとしてこの週末を迎える。22ポイントのリードを握っているが、昨年のこの時点とは、まったく違う状況。今回のドイツでは、イベント3連覇がかかっているが、もちろん先は長い。自信は高まっているか。
OT:フィーリングはいい。午前中、またターマックのフィーリングを感じられてよかった。基本的に、マシンにはかなりハッピー。コルシカでも、ターマックでいい走りができていたので、さらにステップアップを目指す。だから、基本的には、バランスは取れているし、すべて問題ないはず。今日のシェイクダウンはかなりシンプルなステージだったが、明日はブドウ畑のステージを迎えるのでもっと複雑な走りになる。

Q:今回、天気の点ではドライになりそうなので、自分にとって有利になるのでは。3年前は絶妙なタイヤ選択でウエットタイヤを選んで勝っているが、昨年は悩みの種になった。ドライだった場合、早朝はミックスしていくか、それとも週末を通してハードコンパウンドでいくのか。
OT:通常は、分かりやすい選択になるはずだ。このラリーがドライでターマックもドライなら、難しい判断をする必要はまったくない。今週、ここまでのような流れになることを期待しているよ。もちろん、それでもここはドイツだから、何が起きても不思議ではない。これまでにもたくさんサプライズを見てきたが、今のところは状況はかなり安定しそうだ。

Toyota Gazoo Racing WRC


Q:将来についての状況は、どのような感じか。ラリーでは冷静沈着だが、来年のことについての舞台裏はどうなっているか。
OT:それは舞台裏で起きていることで、自分がすべてを把握している必要はない。他のみんなが、取り組んでくれている。自分の仕事は選手権に専念すること。他のことは、みんなに任せている。

Q:現在、話をしているチーム、またはこれまでに話をしたのは何チームあるのか。
OT:自分は誰とも話をしていないよ。

Q:スタッフは誰と話をしているのか。ヒュンダイやMスポーツ?
OT:そうだね、そんなところだ。もちろん、みんなと話をしている。自分が目指しているのは、将来のために最強のチームに所属すること。それは、2年前にトヨタに入った時と同じだ。2017年、自分はベストのチームにいた。マニュファクチャラーズ選手権を制したし、ドライバーズ選手権でも、自分は勝たなかったがチームからチャンピオンを出した。だから、自分はとても強いチームにいた。今はトヨタに入って、今も強いチームにいると言える。どの節目でもとてもいい決断をしてきたので、同じ流れを続けていかなくてはならない。将来に向けては、それが仕事だ。

Q:この件について最後の質問。あるメディアは、君は既にトヨタと契約済みで残留が決まっていると伝えている。これは真実か、そうではないのか。
OT:それは真実ではない。まだ書類上では何も発生していないし、たくさん話し合いが残っている。自分では、まだしばらく時間がかかると思っているよ。

Q:セブ、選手権争いでは2位で、その差は22ポイント。ドイツではこれまで3勝を収めている。これまで選手権を6回制し、勝ち方を知っている君なので通常はプレッシャーを感じないと思うが、今はプレッシャーを感じ始めているか。
SO:プレッシャーを感じない人はいない。みんな、プレッシャーは感じるものだ。ただ、それぞれ違う方法でそれに対処しているだけだと思う。今でも、朝起きてラリーに行くのは、ワクワクする。全開で攻める時には、緊張感も感じている。プレッシャーもいつも感じているが、いつもうまく対処してきた。成功を収めるチャンスがあればリラックスできる余裕もあるだろうが、それでもプレッシャーは感じる。それに、コンペティティブでなくてはならない。もし、リラックスしすぎてしまったら、自分はいいパフォーマンスはできなくなる。もちろん、フィンランドではいい走りができなかった。戦いに戻って、彼よりも上でフィニッシュしなくてはならない。今回の目標は、かなり明確。優勝を目指して、マキシマムポイントを獲得することだ。

Q:パンツァープラッテが出てくるのはまだ先だが、ドライバーの多くがレッキの段階ですでにダーティだと話していた。君もレッキ車でパンクしている。今回、パンツァープラッテではスペアを2本積む選択肢も出てくるか。
SO:正直、あのようなパンツァープラッテを見るのは、久しぶりだ。あそこで何かが起こるだろうと思っている。もちろん、自分が運に恵まれていることを願うばかりだよ。あのコンディションでは運も必要だからね。みんなが同じような場所を走るのに、なぜかパンクをする人としない人がいる。あそこには、尖った石がたくさんある。トラブルに遭わないことを祈るよ。もしパンクしてしまったら好リザルトを目指すチャンスはなくなってしまう。それに、それまでの道のりも長い。すでに明日のブドウ畑エリアも、みんながスタートから全開で攻めると思う。差がつきにくいからね。

Q:ティエリー、TCRドイツに参戦してサーキットでトレーニングしてきたようだが、その経験はどうだったか。
TN:素晴らしい経験だった。ラリードイツのために、いい経験にしかならないと思った。だから招待を受けたのだが、とても楽しかった。でももう、本職で、真剣勝負に戻るよ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:セブも言ったように、今季は残り5戦で、君は選手権3位につけている。昨年、ドイツ戦を迎える時とはまったく違う状況だ。タイトルは少し遠くなったように感じるか、あるいはまだ可能性はあると自信を持っているか。
TN:昨年の方が状況がよかったのは確かだ。でも、トルコに行った時には、自分とセブは苦戦しかなりロスをした。いずれにしても、シーズンのどの段階でも何が起きてもおかしくはない状況は続く。前戦でもそうだ。誰もが、まだ選手権の戦いは続いていると理解している。でも、相手が何なのかということも分かっている。この週末は、厳しい戦いになるだろう。みんなが、絶対にトラブルには遭いたくないと思っている。とにかく今回は、思い切り攻めて優勝を目指す。

Q:上位のふたりを負かすために、どんな戦いをするか? 3人とも実力は拮抗している。ひとり抜け出すためには何が必要か。
TN:シェイクダウンでも見たように、パフォーマンスは今回も同等だ。週末を通しては、一番クリーンな走りでミスをしない者が制する、ということになるのかもしれない。それに、セブも言ったように、パンツァープラッテで運に恵まれることだね。石が多くてかなりダーティだったが、全力を尽くすこととタイヤマネージメントの間で、いいリズムをつかまなくてはならない。それから、可能なら小さな石をすべて避けることだ。

Q:ガス、WRカーでターマックに参戦するという、今回も新しい経験に挑む。シェイクダウンはどうだったか。1本目の走行の後はあまりフィーリングはよくなかったようだったが、終盤に向けてはどうだったか。
GG:終わりの方は、かなりよくなっていったよ。1キロメートルあたり0.5秒以上の差がついていたので、終盤はかなりよくなった。でも、データやオンボード動画を見れば、もっとタイムを詰められる。かなりポジティブな感じだ。前進を続けていかなくてはならない。

Q:今回の目標は。フィンランド、ポルトガルでも素晴らしいパフォーマンスを披露したが、なかなか結果につながっていない。劇的な終わりになっている。フィンランドでは、ポルトガルとはまた違う状況だった。ペースノートの聞き間違いがあったのか?
GG:そうなんだ。悔しかったよ。ちょっと下らないミスだった。今回はもちろん、ラリーをフィニッシュして経験を積むことに専念する。ターマックの方が走りやすさを感じているので、週末を通してタイムを比較していきたい。

Q:WRカーでの参戦も増えてきた。もちろん素晴らしいことだが、R5に戻るのが難しくはならないか? グリーンスミスの今後は、どうなっていくのか。
GG:分からないね。電話が鳴り続けているし、マルコムはラリーの後の火曜日に会いに来て、自分のことについて話してくれると言っている。次に自分が何をドライブするのか、まったく知らないんだよ。

Q:タカ、WRカーでターマックに参戦するというビッグな週末になる。フィランド選手権ではグラベルでWRカーに乗っているが、ターマックでは初めてだ。気分はどうか。
TK:4回、20kmくらい走った。正直、これが、今年、WRカーでターマックを走った合計距離だ。フィンランドでは少しターマックを走ったがコースだけだったので、シェイクダウンでは本格的なフィーリングを感じられた。素晴らしかったよ。マシンはとても速かった。自分の状況をしっかり理解しなくてはならない。今回は、何も期待を持つことはできない。とにかく、ステージを走り切り経験を積むことだけだ。

Q:周囲には素晴らしいチームがついている。オィットやチームのメンバーからは、どのようなアドバイスを与えられたか。
TK:素晴らしいチームだ。ドライバーたちは、常に情報をシェアしている。自分が疑問を持った時は、みんながしっかりとしたアドバイスを与えてくれる。特にオィットだ。とても忙しいのに、たくさんアドバイスを与えてくれる。あのコーナーもこのコーナーも、どのコーナーも分からないことだらけだが、彼に質問すると答えてくれる。信じられないようなシチュエーションだよ。もちろん、自分自身、成長しようと努力している。この素晴らしいチームにいる状況を、フルに活用しなくてはならない。

Q:WRカーでの参戦が増えるようになるのか。今年、またWRカーに乗ることはあるのか。来年はもっと増えるのか。
TK:今回の内容次第になるのではないか。でも、スペインでもWRカーに乗る予定。今年のWRカーでの参戦プランは、ドイツとスペインだと思う。それ以外に、日本では来年に向けてのキャンディデートイベントがあるので、そこに出る。それ以外は分からない。



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