WRCラウンドで初めてヤリスWRCを駆るTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの勝田貴元は8月22日、やはり初参戦となるラリー・ドイツの初日を無難にこなした。
ほぼ事前テストなしでドイツに乗り込んだ勝田にとって、ヤリスWRCをターマックステージで走らせるのはこの日、午前10時からのシェイクダウンテストが初体験。走行を終えた勝田の第一声は、ターマック路面でのヤリスWRCの反応の予想以上の鋭さへの驚きだった。
「(シェイクダウンの)1本目、初のターマックでのステージだったので、どんな感じなのかと恐る恐るだったんですけど、最初のストレートで道の真ん中に行こうと思ってステアリングをほんのちょっと動かしたら、“おお”ってなりました。とにかくクルマの反応の速さにまず、驚きました。R5との差が大きいんです。エンジンパワーの差は予想していたんですけど、反応の差がこれほど大きいのはちょっと予想以上でした。これまで(ヤリスWRCでは)グラベルとスノーで走って、結構ナチュラルに乗れていたんです。フィンランドの道に慣れていることもあって、そんなに違和感なくクルマの良さを出せていたと思うんですけど、今回に関してはそもそもドイツのターマックで走った経験はないし、それが反応の良さを少しシビアに感じている理由かもしれません。まあそれは慣れの問題とも思うし、これにアジャストしていかなければなりません」
「(シェイクダウンの)2本目、3本目と走って、クルマがどういう風な動きをして、どういうドライビングをするべきかというのはちょっと見えた気がするんですけど、また明日、明後日のステージは全然違うので、より気を引き締めていかないといけないな、とも感じています。今回は(モンテカルロの時とは違う)新しいグラベルクルーのコンビになったし、まるきり初めてのことばかりですが、落ち着いて、この週末をステップバイステップで進歩して行けるように努めます」
夕刻からのSS1はシェイクダウンステージと同一の5.2km。5番手スタートで走り出すこととなった勝田は慎重にステージをこなしてフィニッシュ。タイムはWRカー勢最下位ながら、これは想定どおり。大注目の一戦をまずは順調に滑り出した。
「思ってた以上に楽しめたかな(笑)。緊張はしましたけど、スタートしたら全然そんなことなかったです。今日は割とクルマにもすぐ慣れれて、悪くなかったと思うんですけど、本格的にいろんなタイプのステージが始まる明日からに向けてもう一回頭をリセットして、ゼロから学んでいくつもりで頑張ろうと思います」