WRC第10戦ドイツは競技2日目を終えて、トヨタのオィット・タナックが僅差ながらラリーをリード。2.8秒差の2番手にはヒュンダイのティエリー・ヌービル、22.1秒差の3番手にはシトロエンのセバスチャン・オジエがつけている。
この日行われたのは、SS2〜SS7の計6SS、3SSを2度走行する101.42km。ラリードイツの代名詞とも言えるモーゼル河畔のブドウ畑が主な舞台となる。オープニングのSS2を制したのはヌービル。前日トップのタナックをかわし、総合4番手からトップに浮上してみせた。しかし続くSS3でベストタイムをマークしたタナックが再び逆転、タナックはさらにSS4でもベストタイムをたたき出し、総合2番手につけるヌービルとの差を3.2秒とした。
サービスを挟んで行われたSS5は、SS2の再走ステージ。午前中に続きこのSSはヌービルが獲ったものの、総合タイム差でタナックを逆転することはできず。総合首位の座を守り切ったタナックはSS6、SS7と連続ベストタイムをマークし、わずかながらヌービルとの差を拡大することに成功した。
タナックとヌービルのペースからはやや遅れた総合3番手につけているのはオジエ。午前中はアンダーステアに悩まされてタイムを伸ばすことができず。サービスで多少良くなったというものの、上位ふたりからは大きく水を空けられてしまっている状況だ。オジエの後方ではトヨタのクリス・ミークとヒュンダイのダニ・ソルドと熾烈なバトルを繰り広げていたが、この日最後のSS7でソルドのi20クーペWRCにギヤボックストラブルが発生。1速ギヤを失ったソルドは総合9番手にまで後退し、ミークが総合4番手につけている。総合5番手はトヨタのヤリ‐マティ・ラトバラ、6番手にヒュンダイのアンドレアス・ミケルセン、7番手にシトロエンのエサペッカ・ラッピがつけている。
ヤリスWRCで出場している勝田貴元は、SS2のヘアピンでエンジンストールを喫しタイムロスを余儀なくされたものの、SS7では9番手タイムもマーク。1日をとおして終始慎重な走りに徹し、マシンの習熟という課題に対してきっちりと役割をこなしてみせた。
競技3日目は、SS8〜SS15の計8SS。なかでも、ラリー最長の41.17kmを誇るSS13、SS15は軍事演習場パンツァープラッテが舞台となる。競技2日目のコースとはまったく性格が異なるためドライビングのアジャストも戦いのポイントとなる。タナックvsヌービルのトップ争いだけでなく、オジエ、ミーク、ラトバラの3番手争いもさらに熱を帯びそうだ。オープニングのSS8は日本時間24日(土)15:09スタート。
WRCドイツ SS7後暫定結果
1. O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC) 59:12.4
2. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +2.8
3. S.オジエ(シトロエンC3 WRC) +22.1
4. K.ミーク(トヨタ・ヤリスWRC) +25.6
5. J-M.ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) +27.8
6. A.ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC) +40.0
7. E.ラッピ(シトロエンC3 WRC) +52.9
8. G.グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC) +1:05.5
9. D.ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:15.1
10. K.ロバンペラ(シュコダ・ファビアR5 EVO) +2:58.5
11. 勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) +3:03.1