WRCラリードイツの会期中、オペルが最新のラリーカー、コルサ-eを2020年のオペルe-ラリーカップに使用することを発表した。このマシンのバッテリーは、約60kmの競技走行に必要な電力を供給。136馬力のエンジンを搭載し、260Nmのトルクを発生する。
この新しいカップは、まずはドイツラリー選手権の一環として、さらに他のイベントを選別し、2020年夏にスタートして2021年まで開催。15台がプリペアに入っている。最も好成績を収めたドライバーには、新型オペル・コルサR2で、ERCジュニアに参戦することになる。
一方、ニュージーランドでは、WRCドライバーのヘイデン・パッドンが、800馬力の電動版ヒュンダイ・コナのハイパフォーマンスマシンを製作準備中。電動のラリークロスマシンプロジェクトも手がけるオーストリアのSTARDと連携して開発を進めている。
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イタリアでシュコダ・ファビアR5を駆るファビオ・アンドルフィは、WRCドイツの最終2本目のステージで激しくクラッシュ。コ・ドライバーを務めていた42歳のベテランシモーネ・スキャットリンは肋骨を折った他、骨盤にも3ヶ所の骨折が見つかった。トルコでは、アンドルフィはエマニュエル・イングレシと参戦する予定。
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ヒュンダイのダニ・ソルドが、アルゼンチンの南中部で開催されたアルゼンチン選手権ネウケンラリーに、ポイント・コラ・レーシングがプリペアしたi20 R5でゲストドライバーとして参戦、圧勝を飾った。
このバレン地方は、1983年にWRC戦の舞台となった所で、超高速ステージで知られる。WRC戦が開催された際、スティグ・ブロンクビストがアウディ・クワトロで平均時速189kmを記録したステージも含まれていた。
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シュコダを駆るボリビアの18歳、マルコ・ブラシアが、地元で開催されたFIAコダスールラリー選手権戦のラリー・サンタクルス・デ・ラ・シエラで、3SS以外全てのステージを制して優勝を飾った。
パラグアイの強豪、グスタボ・サバが駆るフォルクスワーゲン・ポロGTI R5に1分以上の大差をつけての勝利だった。選手権は、ウルグアイでのアトランティコラリーを残すのみとなっているが、ディエゴ・ドミニゲスが首位につけており、上位3人をパラグアイ勢が独占している。
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ラリートルコ・マルマリスのエントリーリストからは、残念なニュースが2つ。Mスポーツのエルフィン・エバンスは、7月のラリーエストニアで背中を負傷したことでエントリーがキャンセル。これで3戦連続でWRC戦を欠場することになる。10月のラリーGBから復帰の見込み。
また、WRC2のニコライ・グリアジンもトルコ参戦が見送られた。ERC戦のチェコラリー・ズリンで、旧型シュコダ・ファビアR5が激しくダメージを負ったため。新型ファビアEvoは、まだテストを行っていない。WRCトルコの国外エントリーは、これで30台を下回る。
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FIA中東ラリー選手権第3戦ラリーオブレバノンは、ナッサ・アル‐アティヤが優勝。アル‐アティヤは、これまでこの舗装イベントに17年間参戦してきたが、これまで一度も勝ったことがなかった。序盤はメインのライバルであるロジャー・フェハリがリードしていたが、パンクによりリタイア。アル‐アティヤは、ロドリゲ・ラヒ(三菱ランサーエボリューションIX)に7分以上の大差をつけてフィニッシュした。
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イタリア選手権第6戦ラリー・デル・フリウリ・ベネチア・ジュリアラリーでは、ルカ・ロセッティ(シトロエンC3 R5)が優勝。2〜4位には、アンドレア・クルニョーラ、ジャンドミニコ・バッソ、アントニオ・ルーシェとシュコダ・ファビアR5勢が並んだ。アレッサンドロ・ペリコはブレーキトラブルでリタイア、シモーネ・カンペデッリのフォード・フィエスタR5 MkIIは2回のパンクで後退を強いられた。
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ツルク北部で開催されたフィンランド選手権の超高速ラリー、オイリ・ヤロメン・ラリーは、ユハ・サロのシュコダ・ファビアR5が優勝。序盤はフォルクスワーゲンのエミル・リンドホルムがリードしていたが、転倒でリタイアを喫した。サロはこれで選手権ランキング首位に立ち、4ポイント差でテーム・アスンマアが追いかける形でシリーズは残り一戦となっている。
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フランス・グラベル選手権ラリー・テレ・デ・ロゼールは4年連続でクレルモン・フェラン南部で開催され、リオネル・ボー(シトロエンDS3 WRC)が優勝を飾り、選手権リードを広げた。同じマシンを駆るチボー・ダーバンが2位に入った他、トーマス・ボードイン(C3 R5)、シリル・フェロー(C4 WRC)とシトロエン勢がトップ4を独占した。
(Martin Holmes)