フランスターマックラリー選手権第6戦ラリーモンブランのスタート前、モルジヌでは新型アルピーヌA110ラリーが公式にアンベールされた。シグナチュール・アルピーヌが製作したGT4バージョンで、FIAのR-GT市場を狙ったもの。開発には、ルノー・スポール・レーシングのスタッフも参加している。このルノー・アルピーヌA110は、1970年代に活躍、1973年にはジャン‐リュック・テリエがWRC6勝を収めてマニュファクチャラーズタイトルを獲得したマシンにヒントを得ている。フランスのラリードライバーの多くは、このマシンでキャリアを積んでおり、プライベーター時代のミシェル・ムートンもその1人だ。シグナチュールは、フランスの名門競技マシンコンストラクター。
ラリーでは、ヨアン・ロッセルが4連勝。同じくシトロエンC3 R5を駆るヨアン・ボナート、シュコダのカンタン・ジルベールが続いた。イベントは不安定な天候となり、フォルクスワーゲン・ポロGTiのニコラス・シャミンとウィリアム・ワグナーは、コースオフによりリタイアを喫した。今シーズンは、残り3戦となっている。
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先週末にナンユキで開催されたケニヤラリー選手権イベントでは噂が駆け巡った。サファリラリーが2020年にWRCカレンダーに昇格することが、まだ不確定のままだというのだ。これが本当なら、FIAの来年のWRCカレンダー発行が遅れていることもツジツマが合う。問題は2点あるようで、まずは会期。FIAは7月中旬から下旬の開催を希望しているが、サファリのトップシーズン(6〜9月)に当たるため、宿泊施設が不足する上に、宿泊代や航空券の価格も高騰する。また、FIAのアドバイザーがルートに加えたいとしていた、ステージへのアクセス確保にも困難が生じている事も明らかとなった。
このナンユキで開催されたケニヤラリー選手権戦は、ナンユキとイシオロ間の野生生物保護地を走行。三菱ランサーエボリューションXのカール・ツンドがスタートからリードした。
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英国ラリー選手権の2020年カレンダーが発表され、来年も6戦で構成。ウェールズ、アイルランド共和国、イングランド、ベルギー、北アイルランド、スコットランドで行われるが、うち4戦がターマック。英国の林道で開催されるのは、2戦とみとなった。リザーブイベントとしてウェールズ・ラリーGBがノミネートされているが、FIAからは会期も開催エリアも発表にはなっていない。
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メキシコのリカルド・トリビーノとスペイン人コ・ドライバー、マルク・マルティが、メキシコのオアクサカで開催されたラリー・シエラ・シュアレスを制し、これで今シーズンのFIA中南米選手権戦4連勝。計算上はこれでタイトルが確定した。
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カナダのケベック州で開催されたカナダ選手権戦デフィラリーでは、カレル・カレがようやく今季初優勝をマーク。スバル勢が1-2-3を独占した。優勝候補筆頭に挙がっていたMINIジョン・クーバー・ワークスWRCのジョエル・リュバックは、オルタネーターのトラブルによりリタイアを喫した。
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ベルギー選手権第7戦のオムループ・ファン・フラーンデレンでは、セバスチャン・ベドレ(シュコダ・ファビアR5 Evo)が優勝。フォード・フィエスタR5 MkIIのケビン・デマエルシャルクを制した。このイベントはオランダ選手権第5戦も併催されており、オランダ勢最上位は、ヒュンダイi20 R5のボブ・デ・ヨンだった。
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スウェーデンラリー選手権イーストスウェーデンラリーで、かつてPWRCなどで活躍したスウェーデンのパトリック・フローディン(シュコダ)が優勝。13年ぶり、2度目の国内戦タイトルを獲得した。イベントでは、フォルクスワーゲンのヨハン・クリストファーソンを4.4秒差で制した。フローディンは、WRC参戦からは8年遠ざかっている。
(Martin Holmes)