10月6日(日)、2019年FIA世界ラリー選手権第12戦ラリー・グレートブリテン(GB)の最終日デイ4がウェールズ北部で行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組が優勝。今シーズン6勝目を飾り、ドライバーおよびコ・ドライバー選手権におけるリードをさらに広げた。また、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組は総合4位でフィニッシュし、価値ある選手権ポイントを獲得した。
ラリーGBのデイ4は、サービスパークの南側エリアで2本のステージを各2回走行。当初サービスパーク近くの岬で行なわれる予定だった「グレートオーム」のターマックステージは、海洋コンデイションの悪化により選手の安全を確保できないという理由でキャンセルされた。
デイ3で総合2位のティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)に対し11秒のリードを築いたタナックは、デイ4オープニングのSS18でベストタイムを刻み、僅かながらリードを拡大。その後は安定した走りで2本のステージを走破し、9.5秒のリードを持って最終のパワーステージに臨んだ。そして、パワーステージでは2番手タイムを刻んだドライバー選手権のライバルであるセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)に、0.4秒差のベストタイムを記録。今季6勝目を飾るとともに、最大ボーナスポイントを獲得し選手権のリードを28ポイントに拡大した。
ヤリスWRCはデイ1のSS1でミークが首位に立ち、その後もリードを維持。デイ2の最終ステージではタナックがミークに代わって総合1位に浮上し、そのまま最後まで首位を守り続けた。最終的にミークは総合4位でフィニッシュし、チームは貴重なマニュファクチャラーポイントを獲得。選手権ではトップのチームとの差を8ポイントに縮めることに成功した。
トミ・マキネン(チーム代表)
「信じられないくらい素晴らしいラリーでした。ラリーGBは最も難しいラリーのひとつですが、オィットは重圧に負けず終始ラリーを支配下に置き、自分の仕事を完遂しました。最後のパワーステージは本当に興奮し、まだ心臓がドキドキしているほどですが、オィットは素晴らしい走りで最大ポイントを獲得し、ドライバーズ選手権争いで有利な立場となりました。昔、自分が同じような状況に置かれた時は精神的に本当に辛く大変でしたが、彼は全てにおいて上手くやっています。クリスの仕事も素晴らしく、我々にマニュファクチャラーポイントをもたらしてくれました。今シーズンはまだ2戦ありますが、集中力を高め全力で臨まなくてはなりません」
オィット・タナック
「優勝できて最高の気分です。我々のために、多くの人が働き努力を続けてきたので、最大ポイント獲得でそれに報いることができて嬉しく思います。パワーステージではクルマに大きな自信を感じていたので、フルポイント獲得の好機を逃すわけには行きませんでした。我々のチームは“pushing the limits for better”というスローガンを掲げていますが、自分も常にベストを尽くそうと努力しています。今シーズンはまだ2戦残っており、何も決まってはいないので、これからも集中して攻め続ける必要があります」
クリス・ミーク
「金曜日の大部分をリードしていたので、4位という結果は少々残念ではありますが、それでも満足しています。今週末は本当に難しいコンデイションでの戦いでした。大きく遅れたわけではなく、土曜日に少しペースが足らなかっただけですが、それでもチームに多くのポイントをもたらす事ができました。オィットの優勝を嬉しく思いますし、マニュファクチャラー選手権でトップとの差を縮める事が出来たので、収穫の多い週末になったと思います。残る2戦、まずはスペインで力強く戦い、良い形でシーズンを終えられることを願っています」
WRCラリーGB デイ4の結果
1. O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC) 3:00:58.0
2. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +10.9
3. S.オジエ(シトロエンC3 WRC) +23.8
4. K.ミーク(トヨタ・ヤリスWRC) +35.6
5. E.エバンス(フォード・フィエスタWRC) +48.6
6. A.ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC) +58.2
7. P.ティデマンド(フォード・フィエスタWRC) +5:23.8
8. C.ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC) +9:25.0
9. K.ロバンペラ(シュコダ・ファビアR5 Evo) +10:51.1
10. P.ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +11:36.1